こういった本を読むからといって、決して通訳になろうなどと大それたことを考えているわけではありません。
ただ通訳なんていう大変なことをする人たちはどのような人なのかという興味で読んだだけです。
執筆は通訳の会社を運営されている方々と、実際に通訳をしている人たちです。
また、通訳と言ってもいろいろな活躍の場があり、それらについても例をあげて説明されています。
通訳といえばテレビの海外ニュースの同時通訳などを目にする事が多いのですが、実際にたくさんの人達が活躍しているのは、政府や企業などの海外取引先、関係機関などとの会議の場というのが多いようです。
そういったところですから、業界ごとの専門用語というものが非常に多く、いくら外国語に詳しいという人でもパッと通訳開始ということは無理なようです。
十分な通訳という活動をするためには、前もっての準備が大切で、ベテランの通訳でも発言内容の事前準備を必ず見せてもらったり、専門用語の解説を求めておいてようやく可能となるようなものだそうです。
そのため、業界ごとに専門の通訳というものが育成されているような分野も多く、そういったところでは通訳の高齢化と後継者難という問題もあるとか。
通訳といっても、同時通訳と逐次通訳とがあり、話し手とほぼ同時に訳を伝える同時通訳の方が時間が余分にかからなくて良いようですが、ベテランといえども聞きにくく判りにくい訳となってしまうそうで、正確を期するなら逐次通訳の方が優れているようです。
ただし、時間は同時通訳の倍かかります。
また、会議も長くなる場合は通訳も数名で交代しながらやっていくそうです。
こういった専門分野の通訳となるにはその業務の内容にもかなり精通することが必要になります。ただし、あまりそこばかりに集中してもそれだけ仕事があるかどうかが問題のようです。
活動の場はやはり企業活動が盛んな分野の方が多いようです。
したがって現在であれば、IT、金融、環境エネルギー、医療といった分野では仕事も多いということは言えるようです。
また、意外なところでは「警察での事情聴取」という需要も多いとか。これには頷けます。
医療関係では、「手術室に入っての通訳」というのもあるそうです。非常にむずかしい通訳の一つであり、騒音も多く緊張のなかで、しかも外科医のマスクを通した聞きづらい話を聞きながら通訳するというのは大変なものです。
なおかつ、周りのものに絶対に触れてはいけないということからメモを取るわけにもいかず、それ以前に「血を見るのが苦手」という人には絶対に無理ということです。
こんな仕事もあるんですね。
かなり大変な仕事ということは良く分かりました。通訳なんてならなくてよかった。(はじめからその能力もありませんが)