24日朝のNHKニュースで報じていましたが、来月からの電力小売自由化のスタートを前にいろいろと問題点が続出しているそうです。
まず、これまで節電に努めてきた人は、ほとんど有利になるプランがなくかえって割高になるようです。
これはこれまでの電力料金のシステムで各家庭での電力使用量が少ない方から3段階に分けられ、使用量が多くなるほど電力単価が高くなるようになっていたために、電力会社の利益も大量使用者の方が多く得られるということから、新規参入業者も大量使用者をメインに考えてのプラン設定となっているためのようです。
まあ、当然といえば当然なんですが、自由化で競争をさせて料金を下げさせようとする政策ですから、大量使用の契約を多く獲得したほうが有利というのが誰でも考えそうなことです。
したがって、社会全体の電力消費節減などという方向とは全く逆であるということは認識しておく必要があるでしょう。
もしも低エネルギー社会のために節電推奨という政策をやりたければ、自由化などということとは逆の施策を取る必要があります。すなわち、大量消費者にはより強い累進料金を課して使用を制限しなければならず、当然自由化などということは不可能になります。
もう一点は、「再生可能エネルギー」の業者を選びたいという希望がある消費者が多いにも関わらず、そういった業者はほとんど無いということです。
まあ、「再生可能エネルギー」などというものは無いということは何度もここで述べていることですが、それはここでは一応触れずに置きます。
それはともかく、現状ではそういった発電というものはほとんど経済性など無く、競争力も無いということを示しているだけだと思うのですが、やはりそれを選びたいという希望者には何らかの方策があっても良いのでしょう。
放送での説明によれば、太陽光発電などを主とした業者はあるものの、天候の加減で発電量の変動が避けられず、減少した場合には他の電力会社から割高の電力供給を受けなければならないためにコストが上昇し、契約消費者が少ない地方では操業できないとか。
これも、「自由化」とは全く異なる方向性の話で、手厚い保護がなければやっていけないものを自由化の中に放り込んでも上手くは行かないでしょう。
小売自由化などと言っても、実際はガス会社や通信会社などが抱き合わせで事業拡大に繋げたいという商売第一の方向にしか動いておらず、発電などは火力優位のものになっているようです。
こんなことやってどこが良いのか、疑問だらけの制度になりそうです。