著者の西本さんはレールウェイライターということで、実際の鉄道に関する著書も多いようですが、模型も趣味とされているようです。
実は私も50年近く前の少年時代には鉄道趣味を持ち、当時最後の活躍をしていた蒸気機関車の写真を撮りに行くとともに、鉄道模型もやっていました。その後はまったく触れる機会もなくなっていましたが、最近も趣味の雑誌が発行されているのも見ていますし、愛好者もいらっしゃるのでしょう。
久しぶりにその世界を垣間見る本を読み、以前と同じようなところもあり、また変わったところもあるということを確認しました。
まず、以前は模型のサイズではHOゲージ(線路の軌間16.5㎜)が普通だったのですが、最近ではNゲージ(軌間9㎜)が一般的になっているようです。
したがって、昔は素材から自作ということも多かったのですが、今ではプラスチック製の既製品やキットがほとんどということです。そのため、車両の価格も安いものも多いということで、取っつきやすい印象を受けます。
1列車8両編成の模型が一そろいで2万円以下で買えるなど、50年前と比べても安く感じます。
昔と一番変わったのは、模型の列車を走らせるコントロール方式として「DCC」というできたということで、これはデジタル信号電流での操作だそうです。
模型にモーターを載せ、レールに電流を流して走らせるという基本は昔から変わらないのですが、以前は流す電流を増減させるだけのコントロールでしたので、そのレール上にある列車はすべて同じ動きをしていました。(とはいえ、同じ区間に2列車以上を入れることは普通はしませんでした)
それが、DCCでは同じ区間内であっても2列車以上を別にコントロールできるようです。また、分岐ポイントなども同時に操作できるようで、かなり進歩したイメージを受けました。
それ以外の点、レールやポイントなどの部品、シーナリーやストラクチャという建物や風景を表す模型などもさほど昔と違いはないようです。かえって昔の手作りのものがリアリティーも上という感じがします。
なお、巻末には営業中の模型店のリストも載せられていましたが、郷里の模型店が相変わらず営業しているようです。さすがに当時の店主のおじさんはご存命ではないでしょうが、息子さんがやっていらっしゃるのかもしれません。