爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

中国の海洋進出を集団的自衛権の引き合いに出す違和感

中国が南シナ海サンゴ礁を埋め立てているという報道に続き、東シナ海の日中の中間線に近いところにもガス田開発という口実で海上施設を作っているようです。
首相はこれを良い実例とばかりに(はしゃいで?)紹介し、だからこそ日米の防衛協力を強化して抑止力とする必要があるので安保法制整備を急ぐ必要があると言い張っています。

まあ、誰か評論家も言っていたようにこれがガス田開発ということはほとんど信じられない話ですので、真意は軍事行動にあるというのもありそうな話ですが、これが日米の集団的自衛権にはどう考えても関係のない話のように見えます。
尖閣諸島についてはアメリカも確認しているように、日米安保条約によるアメリカの防衛行動をする領域に入っており、これは現状のままでももしも中国が軍事進出をした場合はアメリカも対抗できることになっています。
さらに、そもそも尖閣諸島防衛は日本の単独の自衛権で守るべき領土であり、それを補完するアメリカの軍事行動は特別に日米安保条約で定められていると見なすべきであり、日本がアメリカの軍への攻撃に対して防衛するといった集団自衛権の話とはまったくかみ合いません。

しかし、あまりにもタイミングが良いですね。もしかしたら中国の政府あるいは軍部と日本政府首脳の間には密約でもあるのでしょうか。ちょっと安保法制整備で反対が強いから、東シナ海でちょっかいを出してくれとか。そうしたら向こうの求めに応じて何か妥協策を出すからとか。

どうも今の政権の行動については隅々まで疑いの目で見てしまいます。