爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「日本の聖域 偽装の国」 選択編集部編

「選択」という、あまり聞いたことのない雑誌の編集部編の本ですが、月間の総合雑誌で予約販売制を取り書店での販売はしないもののようです。「三万人のための情報誌」というキャッチフレーズをうたっているようですが、これは日本の指導者層に向けた情報提供であるということです。実際に読者には政治家や会社経営者も多いということですが、本書の内容は非常に過激とも思える社会批判に思えます。こういった批判をそのような指導者層という人々がどのように読んでいるのか、ちょっと疑問にも思います。(何の役にも立ってないんじゃないのという意味です)

本書は「選択」に掲載された記事に加筆して収録しているということです。まあほとんど雑誌記事と考えても良いのかもしれません。
著者陣はすべて匿名と言うことです。
記事の対象は手あたり次第というイメージです。官公庁、政党、さまざまな集団、などなど。
羅列してみますが、厚労省薬系技官、児童相談所気象庁、新聞販売店、JR、犯罪被害者の会、日本赤十字社公安調査庁相撲協会原子力村、その他多数です。

例えば気象庁については、天気予報はほとんどはずれ、特に長期予報はまったく無残。地球温暖化ブームにのってとにかく「暑くなる」と言っておけば良いと思っている。と批判しています。まあ当たっているかも。
箱根駅伝もあまりに肥大化しすぎ弊害が大きいとか。有能な選手をスポイルしてしまい、日本がマラソンで勝てなくなったのもここに理由があるということです。全区間20kmという過酷な駅伝に対応するために多くの有望選手に無理な練習をさせてしまい、故障する選手が少なくないとか。関東の駅伝大学、日テレ、スポンサー企業などの思惑でゆがめられたイベントになってしまっています。これも私の感覚と一致した議論でした。

他にも非常に激しい批判を繰り広げられています。しかし、この「選択」という本を読んでみたいかと言うとそこまでの気にはなれないようです。