爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「悪質商法のすごい手口」国民生活センター監修

2009年の本ですが、今はさらにひどい悪質商法が増えています。しかし、この本でほとんどの商法が網羅できているようですので、最新のものもどれかの発展形と言うことで理解できると感じられます。
悪質商法に引っかからないためには、本書にもあるようにとにかくどのような例があるのかを知るということ。そして周囲の老人などに異変がないかどうか、気配りをすることにつきます。「もうけ話には耳を貸さない」とか言いますが、それだけで収まるほど単純なものではないようです。
攻める側も単純なもうけ話だけで来るだけではなく、家族や知人、親戚などあらゆる手を使ってきます。とても一口で対処方法などというわけには行かないようです。

高齢者の相談件数トップは「訪問販売」だそうです。住宅の点検商法などは押し売り、暴力販売の要素もあり、「暴力系」と言えるかもしれません。
振り込め詐欺架空請求は言ってみれば「頭脳系」でしょうか。なかなか込み入った手を使うものもあるようです。
詐欺同然の利殖話というのは、詐欺グループなのですが、銀行や保険会社が持ってくる話も一歩間違うと問題商法となる可能性もあり、特に老人の昔の感覚では銀行や郵便局が損になる話をするわけはない。という思い込みもあり、最近のようにリスクのある商品を銀行などが扱っているということを想像もできないということもあり、トラブルのもとになっている可能性があります。

対処としてはクーリングオフ制度もありますが、それが適応できない例も多く、また一度払った金を取り戻すというのはどうしても難しくなるため、とにかく金を払わない、周囲の人も気を付けるということでしょう。
認知症気味の人が年金をすべて使ってしまうという例もあるそうです。成年後見制も早めに考慮する必要がありそうです。

まあ読んでいてちょっと嫌になるほどの事例ばかりです。人間なんてとことん悪くなるものです。