爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

本日憲法記念日

憲法の改革だけでなく、解釈変更なども飛び出している折から、今日の毎日新聞には政治学者の中西寛さんの文章が載っていました。他にどのような意見を出している方かは知りませんが、この文自体は非常に妥当な主張だと思います。
憲法改正というとどうしても最初に第9条が出てきますが、現在の世論調査では改正賛成・反対・改正せずに解釈変更というのがほぼ3割ずつで分裂している状況で、まだ改正の機はまったく熟していないようです。
しかし、そちらの点はまだ後回しにしても緊急に考えて改正に向かわなければならないのは、「政治改革」特に国会に関する規定の改革だそうです。
まず、第1には衆参の二院制をどうするか。あまり深い議論もないまま(制定時にアメリカは一院制で良いと言ったのを日本側が二院制を主張したとか)決定したために衆議院参議院の性格の分け方も曖昧で、その地位の規定もほとんど同等と言うものであるために、近年の衆参ねじれ状態で国会の空転が続き政治空白という事態になってしまいました。二院制を維持するのならしっかりとした規定が必要です。
また、次には衆議院の議員の決定原理をどうするか。完全に有権者数比例にすべきなのかどうかも憲法で規定しておく必要があるということです。(現在は憲法には選挙の基準は記されていない)
そして、国会の議員の選定基準などを決めるのは国会議員にはやらせるなと言う、これまた非常に当然過ぎる主張がされていました。

まさに正論です。
憲法についての議論は、象徴的な9条議論は必要はことかもしれませんが、緊急にまずやらなければならないのは国会の在り方の規定の見直しでしょう。しかも国会議員にそれをやらせているとどうしようもないことも明らかです。
自分の趣味の分野ばかりが先行する首相の憲法論議はひとまず棚上げにして、まずこれをやらなければならないのではないでしょうか。