爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「ボケた親の財産を守る はじめての成年後見」東本信著

著者の東本さんは法律の専門家と言うわけではなく、ビジネス関係のライターですが実際にご自分の親の後見をしなければならないという経験をされたもので、細かいところまで振り返って書かれており、成年後見ということについて考えている人にとっては非常に参考になるものとなっています。

成年後見といってもさまざまな例があるでしょうが、特に問題ともなるのは老年になった親が故郷で独居しており、さらに認知症の疑いが出てきたという事例かと思います。著者の場合もまさにその通りの例で、故郷の福岡で母上が一人暮らしをしていたけれど認知症となり特別養護老人ホームに入所はしたものの、家は空き家となりその処分などをするにも本人でないとできないことが多く、仕方なく成年後見人となることを選んだと言うことです。
そこまででなくても、老人一人暮らしではさまざまなセールスなどもやってきて、不要なものを買わされたり住宅リフォームなどの契約をさせられたりということも多く、実際に著者が家を整理した際も高価な健康食品が多数出てきたとか。近くに住んでいなければ心配も絶えないところでしょう。

成年後見の事例というのも色々ありますが、やはり実子が申請すると言うことが多いそうです。しかし第3者に費用を払って依頼すると言うこともあるようで、弁護士や司法書士などという人たちに依頼することもあるそうです。
この申請は家庭裁判所に出しますが、被後見人の地元の家裁が担当です。したがって離れた子供の場合は不便ですが近くの家裁である程度の代行はできるようです。
申請をすると本人の状況の鑑定ということがあり、医者などの診断を行うことになり費用もかなりかかるようですし、時間も相当かかります。著者の場合で申請から半年以上かかったそうです。老人のことですのでその間に・・ということもありえますのである程度余裕を持った方がよさそうです。

後見人となって一安心ということではなく、その後の必要な義務と言うのもかなりあるようです。やはりある程度はしっかりと考えて取り組まなければならない事のようです。