爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「名画で読み解く”世界史”」祝田秀全著

著者は代々木ゼミナールの講師ということです。受験指導にも絵を使うというのは効果的なのでしょうか。
歴史上その時代に近いときに描かれた絵画もありますし、18世紀ごろから昔の出来事を絵画の題材として好んで描かれたということもあったようで、その絵を取り上げられている場合もあります。
近い時代に描かれたものの場合は、細部まで当時の実像を再現しているということがあるでしょうが、時代が離れるとそういった点は期待できないかもしれません。

古代文明を描いた絵画は実時代のものが残っているものもあり、18-19世紀の後代に振り返って描かれてもいるようです。実時代のものは歴史的価値は高いのでしょうが、現代からみると描写方法や手段が未発達と言うこともあり判りにくいものもあるようです。また人物の容姿なども残った遺物を参考にしてはいるのでしょうが、実像をどれほど似ているのかは不明です。

15世紀を過ぎた頃からはほとんど実時代に描かれることが多くなったのか、細部まで実物どおりというものが多いようです。また、人物の顔というものも実際に見られて描かれるということから芸術的にも高い価値があるようです。
しかし、本当に実物どおりかどうかは怪しいもので、肖像画などでも依頼者が修正を強制するということもあったようで、絵に騙されてはいけないということもありそうです。

無数の歴史的絵画が残っており、それを見ていくと歴史の理解にも助けになりそうですが、逆にイメージが頭に残って正確な理解には邪魔になることもあるのかもしれません。