爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1103 貿易赤字と貧困

今回の賀茂川さんの最新記事は「貿易赤字と貧困」です。
アベノミクスの売り物の一つの円安誘導は表面的な株高効果はもたらすものの実際は日本経済に深刻な痛手をもたらすと言うことは、このブログでも何度も強調してきました。

賀茂川さんの主張もそれと同じような内容ですが、さすがにアメリカ国内の状況も正確に把握していらっしゃるためか、日米どちらもだめになるTPPについても批判をしています。

失業率だけで議論をしているとその内容が忘れられがちですが、日米ともにその数字が下がったと鬼の首を取ったかのようなことを言っても労働者の賃金総額が下がっていれば低賃金の職業に多くの労働者が追いやられただけで、そのような状況では景気回復などどの世界の話かというところです。

「加えて安倍政権はいま、労働者派遣法を改悪し、臨時的な業務に限って認めてきた派遣の原則をなくし、正社員の代わりに無制限に派遣を利用できるようにしようとしている。経済を活性化するには安定した所得を得ている中間層が必要であり、非正規雇用を増やすことは貧困を増やし、社会が不安定になるだけだ。生産を海外へ移し、賃金を下げれば残るは貿易赤字と貧困だ。栄えるのは多国籍企業だけということになるのである。」(当該記事引用)とあるように、本質は多国籍企業を儲けさせるだけということをはっきりと認識し、その対策を考えなければいけないのですが、その飼い犬の両国政府は決してそうはしないでしょう。

おりしも昨日は世界の長者番付なるものが発表されており、ビリオネアがさらに増加したとあります。ここを食い止めなければ世界の安定は来ないでしょう。