爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

鬼怒川水害での報道

 茨城県常総市での鬼怒川堤防決壊による水害はテレビでも大きく扱われており様々な話題も提供されています。

決壊個所の堤防が土を固めただけのものであったために、水があふれると徐々に崩れて決壊したようで、「全部コンクリート化してしまえ」などと言う意見も見られるようです。

もちろん、専門家の人からそれは不可能とたしなめられてはいましたが。

 

大都市近郊では「高規格堤防」というものが作られているようですが、江戸川、荒川、多摩川など東京・大阪の大河川の873kmだけが計画されているだけで、それの工事すら終了するまでに長期間がかかるようです。当然、多額の予算がかかるということで、実に400年の年月と12兆円の費用がかかるとか。それを全国の他の河川にまでなどということができるはずもありません。

 

治水に関しては以前に東大名誉教授の高橋裕さんの本を読みました。

「川と国土の危機 水害と社会」高橋裕著 - 爽風上々のブログ

現状でも河川の流れと言うものが、上流から下流まで単なる排水路と化しているのが問題で、上流に降った雨が一気に下流に押し寄せるようになってしまっているそうです。

今回の水害でもまさにそれが表れたということでしょう。

 

日本は世界でも希に見るほどに気象災害、地震・火山災害が集中して起こるところです。すべてに対処できるような方策など事実上不可能でしょう。せめて人命だけでも救えるように避難体制を万全としていくことが一番必要だと感じます。