爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「凌ぎの手筋186」金子タカシ著 塚田泰明監修

読書なんて言えるような本ではないのですが、このような本もあるということは知られていないかもしれないと思い書いてみます。

 

これは将棋の「手筋」の本です。手筋(てすじ)とは部分的に覚えておくとよいやり方といった意味の言葉で、将棋の戦法には大きく捉えるもの(矢倉戦法とか、穴熊戦法など)と、局所の戦いで有利に使えるような手筋とがあり、この本は中でも最終盤の詰むか詰まないかという状況で「凌ぐ」(ぎりぎりで耐えて逆転する)ような方法を考えさせるというものです。

 

著者の金子さんはアマチュアですが様々な将棋大会で活躍されていた方で、このような本も何冊か書かれていたようです。また、監修者の塚田さんは本書出版当時(1990年)は八段のプロ棋士で当時は大活躍していたものです。

 

本書の内容は一つ一つが問題となっていて、それぞれ極めて限られた部分のみの局面で、王将と守備駒数枚、攻める側も数枚のみとなっています。その意味では一般に広く行われている詰将棋と同じような体裁ですが、詰将棋は攻める側が王将を詰めるまでの手を考えるものですが、これは攻められる側が手を尽くして逃れるまでの手筋を考えるものです。

 

今はほとんど実際に将棋を指すということはなくなりましたが、この本を買った当時は勤め先の昼休みなどに何人かでよく楽しんでいたものでした。当時は詰将棋でも9手、11手といったものでも分かったものですが、今では3手詰めも怪しくなりました。頭の体操にはちょうど良いのですが、相手が居ないことには将棋もできません。