爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

子供の名前

例年発表されていますが、生命保険会社が子供に付けられた名前を集計したところ、蓮(れん)陽菜(ひな、はるななど)などが多かったということです。NHKの朝の番組でも取り上げられていましたが、最近の子供の名づけの特徴として、「漢字は比較的平易なものを用いるが読み方が特殊」だそうです。特殊といっても、実はこじつけと言うべきものがほとんどで、親の無教養を暴露するだけのものです。番組では淡々と語られていましたが、これは大変なことだと考えられます。
保育園の状況も取材されたようですが、先生方が作られている名簿はすべて平仮名で書かれているそうです。そうでなければ読めないとか。たまに親から名前が漢字で書かれた文書が出てきてもすぐには読めないそうです。

これは非常に由々しき問題であり、見過ごせる話ではないと思います。
人の名前という、何かを示す符号と言えるもののなかでも特に重要なものが、伝達性を失いかけているということです。同じように書かれた文字の名前を平気で違う読み方をして平然としているというのは社会的に大きな混乱の元となるでしょう。

日本の戸籍には「読み方」という欄はなく、使われている文字が規定に則っていれば受理してきたという行政の姿勢も問題なのでしょう。平仮名、片仮名、漢字の中の認められたものであれば届出は完了です。昔から言われているように、「太郎」と届け出て「ハナコ」と読んでも何の問題もありません。
一時、「悪魔」などという名付けをしようとした親が出生届を拒否されたということが話題になりましたが、今のような日本語そのものの存立をおびやかすような事態には何も対処しようともしていないようです。

変な読み方が横行する事情の一つには、姓名判断で字画の良い漢字を選んでからそれに無理やり読み方をこじつけるということもあるようです。今、親になるような若い世代にもまだ姓名判断が横行しているとは。
漢字の画数なんていうものに何の意味があるというのでしょうか。そもそも亀甲文字の時代から、同じ文字でも画数などどれだけ変わってきたことでしょうか。
それにそもそもその画数の吉兆など、誰がどのように決めているのでしょうか。これについて根拠のある説明など聞いたことがありません。

一口に占いといっても千差万別です。八卦西洋占星術など、今となっては迷信としか言えないものでも成立当時の科学・哲学の粋を集めて作られたものもありますが、霊感占いなどやっている本人の好き勝手というものもあります。
そんな中でも字画占いというのは合理的な説明がほとんどできないままに、吉数とか凶数とか言うばかりのかなり程度の低いものと思います。

そのようなものに左右されずに、誰からも間違いなく読んでもらえ、なおかつその子供を呼ぶのに最適な名前を選んでいただきたいものです。