爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「科学の未解決問題」竹内薫著 執筆協力丸山篤史

執筆協力とありますが、これは最近読んだ「ゴーストライター」についての本にあるような実質執筆者ということではないようです。丸山さんは医学者ということですので、竹内さんの専門の物理関係ではなく生物関係の話題のところの正確性付与に協力したということでしょうか。

竹内さんの本は何冊も読んでいますが、今回のものは「未解決問題」ということです。最初に解説してあるように、科学に縁の薄い人々は科学ではほとんどのものが解決済みではないかと思っているかもしれませんが、実はそうではなく多くの未解決問題があります。そうでなければほとんどの科学者はやることがないはずです。
数学のポワンカレ予測(これは解決されましたが)やリーマン予想などの有名なものばかりでなく、その辺にころがっているような一つ一つに未解決のものがあるということです。

本書ではその中でも大きなものとして、12の問題が取り上げられていますが、「ソファ問題」というものもあるというのは知りませんでした。これは幅1mの直角に曲がる通路を通せる一番大きなソファの面積を求めると言うものですが、実はこのような問題も正解がまだ知られていません。コンピュータで無理やり計算してだいたい最大ではないかというものは出ているのですが、それが最大であるという証明はできないそうです。
生物関係では、これまでに5回あったと言われる生物の大量絶滅や生物の進化論、ウナギの生涯などが挙げられています。いずれもまだ不明な点が多い問題です。進化論も決して証明できた問題ではありません。
また、大量絶滅も現在が6回目進行中という説もあります。これまでの5回は生物自身のせいではありませんでしたが、今回のものは人間が引き起こしているものです。

まだまだ科学者と言われる人々の仕事のタネは尽きそうもありません。