中国より来日し大学を卒業後、ソフトブレーンという会社を創業し、現在も営業支援などのビジネス関連業をされている宋さんは様々な文筆活動もされており、以前から名前は知っていました。
この本の趣旨は経営者や管理職に対して、無理に社員や部下のモチベーションを上げようとしても駄目だよということですが、もちろんやる気のないままの社員を放っておけということでもないようで、給料だけの働きはちゃんとしろと言えということは書いてあります。
しかし、社員教育の場などでよく言われるような「モチベーションをあげろ」などの言い方に対してはまったくそれは役に立たないという指摘です。
たしかにそうなんでしょうね。私も会社を退職した今となっては関係ありませんが、在職中は部下のやる気を出させるという問題にも直面しましたが、それ以上に大きかったのは自分自身のやる気が起きないということでした。
仕事の方向性に共感できなければいくらモチベーションを上げろと言われても上がるものではありません。
著者も書いているように、それにからめて「成果主義」という方策を取ってもほとんどの会社ではそれを間違えて運用しているので、成果主義の成果というものも上がっていないようです。営業などで売り上げの数字だけで見ても何も分かりません。単に商品が良いだけで売れているということも多いのに、それを判断しようとはしないということです。それよりも努力のプロセスを判断するというのが必要だということですが、それが難しいのも確かでしょう。