歴史
歴史小説などで読んだことがあっても、実際に昔の生活というものがどういうものかということは、なかなか想像しにくいものです。 この本では一応の導入として、「もしもタイムマシンで現代人が中世のイングランドに行ったら」という設定で書かれていますが、…
古代メソポタミア文明はシュメール人によって始められましたが、その後セム系と考えられるアムル人によりバビロニアが建てられ、ペルシアに滅ぼされるまで続きます。 その主邑バビロンは旧約聖書にも描かれるために西洋文明では有名なものでした。 そのため…
有職故実(ゆうそくこじつ)とは朝廷や公家などの行事やしきたり、その他の事を研究することですが、その有職故実研究家と称する八條さんが、さまざまな日本の文化の歴史について、勘違いしやすいものをあれこれと解説している本です。 平安貴族は馬にまたが…
古代ギリシアのホメロスが「イリアス」や「オデッセイ」で描いた「トロイア戦争」は本当にあったことなのか。 有名なシュリーマンの発掘ということも記憶にある人も多いかもしれません。 そしてそれが本当のトロイア戦争のものではないということも。 トロイ…
人間の平均寿命は男性80歳、女性88歳くらいとなっています。 少し昔まではさほど長くはなく、このところどんどんと延びてきたという印象を誰もが持っているでしょう。 しかし、このところその延びる勢いが少し少なくなっているのでは。 そのような「健康」に…
時代小説や映画テレビで扱う歴史時代のほとんどは室町時代末期の戦国時代か江戸時代幕末で、その他の時代はあまり見たことも無く、そのイメージもつかみにくいものです。 辛うじて学校時代の歴史で習ったことでは、初期には南北朝の争いがあり、応仁の乱から…
今まさに世界を揺るがすような戦争が行われており、戦争を考えたいという思いは誰も持っているものかもしれません。 この本は戦争というものの歴史を人類文明の初期から現代まで振り返っています。 ただし、「戦争を止める・防ぐためにはどうすれば良いか」…
スペインは日本との関係がそれほど深いとは言えず、戦国時代の末期にやや触れ合った程度でその他はさほど馴染みのある歴史ではないようです。 歴史の教科書で習った覚えがある事項でも、アルタミラ洞窟の壁画、かなり飛んで後ウマイヤ朝、レコンキスタ、新大…
江戸時代の日本が鎖国であったというのは正確ではないようですが、それでも日本人の海外渡航は厳しく禁止され、海外からの来訪も制限されていました。 そのような状況の中で世界情勢について海外からもたらされた貴重なものが「オランダ風説書」でした。 こ…
ハーブといえばハーブティーや料理に加えて香りを楽しむものといったイメージですが、その定義というものは意外に明確では無いようです。 人によってその言葉の使い方が異なるのですが、本書ではそれらを紹介したあとに著者のまとめてして次のように述べられ…
万里の長城といえば秦の始皇帝が作り始め、その長さは万里(5万キロ)にも及び、また北京から観光で見に行けるといったイメージがあります。 しかし実際の万里の長城はそれほど簡単なものではないようです。 この本は中国のインターネット上のサイトで一般の…
江戸時代について、いろいろな本を読んだりまた映画やドラマになったものを見たりと、そういった知識は入ってきますが、しかし実際にその舞台は現在で言えばどこにあたり、どのような場所かということはなかなか想像しづらいことかもしれません。 そういった…
中国前漢時代の司馬遷は歴史家の始祖とも言われていますが、史記を書きあげて後の世の中国歴代王朝の歴史書の起源となったと考えられます。 この本はその司馬遷の史記について、戦前から戦後にかけて作家として活躍した武田泰淳が書いたものですが、小説では…
江戸時代は自然災害などが多い時代でもありましたが、そういった災害に対処した大名についての本かと思いました。 ところが、この本はそれだけにとどまらず、江戸時代の幕藩体制というものを支えた思想というところまで考察を進めていました。 戦国時代は大…
現代の戦争でも数多くの戦争犯罪が起きていますが、日本に関わりのある問題としては第二次世界大戦が大きなものでした。 日本の軍隊があちこちで戦争犯罪を犯したとして戦後の東京裁判などで裁かれました。 また歴史認識と言われる問題も今に至るまで中国や…
小説はほとんど読まない私ですが、SFと宮城谷さんの歴史小説だけは読みます。 この本は宮城谷さんの中国古代歴史小説の最新のもののようです。 馬援という名を聞いてもほとんど分かりませんが、時代は前漢が王莽によって滅ぼされ新という王朝になるも、すぐ…
書名が少し変わっています。 「ユダヤの歴史」といった本は何冊も出ていますが、この本では「ユダヤの世界史」 そこに著者の意図がありそうです。 また、「ユダヤ」であり、「ユダヤ人」でも「ユダヤ教徒」でもないというところにも意図があります。 英語な…
高野山は現在でも一大霊場として存在していますが、その最初は弘法大師空海が9世紀に創建した小さな寺から始まりました。 その後もさほど大きな力を持つこともなかったのですが、11世紀頃から摂関家、王家の支援のもと繁栄するようになりました。 さらに13世…
皇位継承者が居なくなりそうで問題だと言われている現在ですが、古代には皇位継承をめぐって激しい争いとなり、血生臭い戦いも数多く起きました。 そういった争いで敗れていった皇子たちについて、日本古代史が専門の倉本さんが詳述しています。 範囲は倭王…
日本では必ず学校の世界史の時間で、古代文明として「四大文明」というものを習います。 メソポタミア・エジプト・インダス・黄河というもので、いずれも大河のそばであることから「大河文明」とも呼ばれますが、それが古代文明の必須条件かのように言われま…
古代ローマは技術的にも優れた建造物を残しており、中でも水道は石畳の街道とともにローマの繁栄に直結したインフラとして優れたものです。 そのような古代ローマの水道と繁栄について語るのは、現在は大学工学部の教授ですが、かつて建設会社の技術者として…
「士農工商」という身分階級が定まっていた江戸時代から明治となり、それは士族と平民というものになりました。 そこから徐々に階級というものが無くなっていくのですが、それには長い時間がかかりました。 そのような階級というものの歴史を、明治期から太…
モダンという言葉は英語のmodernからきているのでしょうが、辞書で見ると「現代的、近代的」とあります。 現代と近代とではかなり違うようですが。 しかし、日本の歴史上では「モダン」が大量に使われたことがありました。 1910年代から1930年代にかけて、年…
「ことばあそび」というものは、どこにでもあるのでしょうが特に日本語では多いように感じます。 なぞなぞ、縁語、掛詞、折句、いろは歌、さらに、判じ絵、回文等々。 どうやら古くは万葉集の中にもそれらしきものが見られるようです。 そういったことば遊び…
「貨幣の条件」といっても経済学的な本ではなく、タカラガイという貨幣としても使われていた貝殻の文明史というものです。 著者の上田さんは中国社会史が専門という歴史学者で、とくに中国西南部の雲南地方やチベットなどを探訪されたのですが、そこでタカラ…
山川出版社は「歴史と教科書の」と謳っているように、それに特化した業務内容となっています。 その中で、この各県の歴史散歩というシリーズは非常に細かい事例まで拾い上げるという方針か、編集も県の高等学校の先生方でつくる「社会科研究会」という所に任…
第三帝国、すなわちナチス・ドイツは現在では絶対的な悪であり、誰もその行為を認めることはなく、擁護するような発言をすることは、少なくとも欧米では命取りにもなり兼ねない存在です。 しかし、これはあくまでも世界大戦後にナチスの行為の多くが明るみに…
朝廷が作らせた歴史書としては日本書紀が有名ですが、その後も続けて正史が作られました。 全部で六つの正史が作られましたが、その後は途絶えています。 日本書紀、続日本紀、日本後紀、続日本後紀、日本文徳天皇実録、日本三大実録を指します。 その対象範…
人類史を見ていくと、石器や青銅器、鉄器といったものが重要視されています。 しかし本書著者のエノス氏によれば人類の歴史において本当に重要だったのは「木」だということです。 ところが「木」というものは歴史史料としてはほとんど発掘されることも無く…
壬申の乱と言う言葉だけは誰でも高校時代に習った日本史の中で聞いたことはあるでしょうが、その中味はほとんど印象にないものかもしれません。 まだ記録というものがほとんど無く、正史の日本書紀くらいにしか描かれていないということもあるのでしょう。 …