爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「新総裁に望む街の声」に何の意味があるのか。

自民党の新総裁に岸田文雄が決まりましたが、今朝のテレビでは「新総裁に望む街の声」が花盛りです。 曰く「弱者を思いやる政治を」あるいは「子育て世代への支援を」などなど。 こういった報道はこれまでも政権担当者が変わるたびに行われ、その望みのほと…

「石炭使用を止めるために天然ガスに転換」これをおかしいと思わないのはなぜ。

二酸化炭素排出を抑えるために石炭の使用を減らすという動きが強まっていますが、そのために天然ガスの需要が高まり価格が高騰しているそうです。 news.yahoo.co.jp 中国や東南アジアなどでは、現在はかなり石炭に依存しているのですが、それを簡単に自然エ…

「コロナ・ショックは世界をどう変えるか」イワン・クラステフ著

昨年から世界中に広がった新型コロナウイルス感染は、国家や経済と言ったものに大きな影響を与え続けています。 そういった問題について、ブルガリア出身でオーストリアでも活躍している政治学者のクラステフさんが2020年4月末には書いたという本です。 した…

岸田文雄が自民党総裁に当選。どうなるか。

自民党総裁選が実施され岸田文雄が選出されました。 この後国会で首班指名を受けて総理大臣に就任することとなります。 おおかたの予想通りという展開でしたが、党員の票が多かった第1回投票でも岸田が1位となったというところは予想外だったのでしょうか。 …

中国で電力不足が深刻?石炭価格上昇?

中国で主要な電力供給減の石炭火力発電の発電量が減少し、電力不足が問題となっているということです。 news.yahoo.co.jp 原因は石炭の価格上昇、石炭生産も多くは中国国内なのですが、炭鉱での事故続発で安全審査を厳格化しているため石炭生産量が減って価…

記事のタイトル見て良いこと言ってるなと思ったらまた忽那さんだった「施設入り口での検温は有効なのか」

パラパラっと各種ニュースのタイトルを見ていたら良いこと言ってるなと思ってよく見たら、また忽那賢志さんでした。 news.yahoo.co.jpそのタイトルは「新型コロナ感染者を見つけ出すために、施設入り口の検温は有効なのか?」というものです。 「十分なコロ…

脱炭素はウソだらけ、杉山大志さんの指摘

ZAKZAKでの杉山大志さんの指摘です。 www.zakzak.co.jp毎日の報道を見ていると「脱炭素」で世界中が固まっており、日本は遅れているという論調でほぼ一線という、いつもながらの横並びですが、そんなのは全くウソばかりという、極めて真っ当な主張です。 ア…

忽那賢志さんの「読んではいけない反ワクチン本」文春オンラインで全文公開

いつも大変参考にさせていただいている、忽那賢志さんですが、「読んではいけない反ワクチン本」という文章を文春オンラインで全文公開ということです。 ワクチンについての疑問や批判は多数現れていますが、中にはまったくの偽情報というものもあるようです…

「『確率』でわかるおどろきのニッポン」平林純監修

世界には「確率」があふれています。 天気予報の「降水確率」、宝くじの当選確率。 失業率や出生率も確率です。(と本書では扱っています。ちょっと疑問もありますが) 確率とは「ある事象が起こる割合」のことです。 本書では様々な確率を紹介しています。 …

「三国志 外伝」宮城谷昌光著

宮城谷さんは「三国志 全12巻」を刊行していますが、その時代の重要人物でありながらその本の中にはあまり取り上げられなかった人々について、三国志の特別付録やオール讀物誌に読み切りの形で掲載しました。 三国志シリーズが完成後にその外伝として一冊の…

石炭火力発電は総攻撃、自動車からの排出削減は遅々として進まないのはなぜか。

二酸化炭素排出削減で温暖化を防ごうというのが世界の一部の国では共通認識となっているようですが、その中でも特に激しいのが石炭火力発電を止めようという動きです。 www.nikkei.com 上の記事でも「迫る終幕」などと書かれており、風前の灯火かのような認…

「マナーとエチケットの文化史」ベサニー・パトリック著

人間社会ではどこでもマナーとエチケット、つまり挨拶や作法といったものが存在します。 ただ、問題は文化によってその意味がかなり異なることで、一つの社会では丁寧な作法が、別の社会では無礼と見られるということはいくつもありそうです。 著者のベサニ…

習近平は中国を社会主義に戻す?田中宇さんの「国際ニュース解説」より。

田中宇さんの国際ニュース解説では、中国の恒大集団の破綻危機は中国共産党の意図的な締め付けのためと考えているようです。 tanakanews.com そして、それはこれまで資本主義放任で世界でも大きな経済力を身につけた中国の路線を少し変更し、儲け過ぎていた…

「あおり運転 被害者、加害者にならないためのパーフェクトガイド」菰田潔著

ドライブレコーダーやスマホカメラの普及で、とんでもない行為をするドライバーの画像が報道され、あおり運転という言葉が一気に広まり、それを阻止しようとして厳罰化の法律も制定されました。 しかし、報道のような極端な事例はそれほどはないでしょうが、…

未承認のヨウ素添加食塩を使った製品を自主回収、廃棄。法律違反なのは確かだがそれでも捨てて良いものか。

小島正美さんの「FOOD NEWS ONLINE」で、中国産の茎わかめに日本では未承認のヨウ素添加食塩が使われていたため、それを使用した食品が大量に自主回収、廃棄されていることが紹介されています。 foodnews.onlineこの内容は、記事中にも書かれているようにす…

「世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史」スティーブン・ジョンソン著

人類の文明がどのように進化してきたか。 そこにはそれが無ければ現代文明が無かった、あるいはかなり違ったものになったような重要な発明と発見があります。 そのような6つのもの、「ガラス」「冷たさ」「音」「清潔」「時間」「光」と取り上げそれらがど…

何も良い対策をしていなくても感染者減少、よく分からん。

何が変わったのかよく分からないまま、新規感染者がかなり減っています。 news.yahoo.co.jp今回の感染者急増も、ワクチン接種がかなり進んだにもかかわらず起きており、変異株のためだとか、気の緩みが起きているからとか言われていましたが、それでは現在は…

「中国義士伝」冨谷至著

義士とは何か。 節義と言うものを貫き通し、過酷な運命によって非業の死を遂げてもそれを貫き通す人です。 中国の漢、唐、南宋の時代に節義を貫いた3人の義士の伝記が書かれています。 漢の蘇武、唐の顔真卿、南宋の文天祥は極めて困難な状況にも関わらず、…

中国恒大集団は破綻するのか、中国政府の対応が注目される。

中国の不動産業大手の恒大集団が破綻の危機となり、中国政府がどう対応するのか注目されています。 www.bloomberg.co.jp引用したブルームバーグの記事では「ミンスキーかLTCMか」と経済通でなければ何が何やら分からないような表題が付けられていますが、ミ…

「君は韓国のことを知っていますか?」鈴木崇巨著

日韓関係は非常に悪化し、相互に相手国を嫌いと答える人々が多数を占めるという事態になっています。 日本では慰安婦問題や徴用工問題など、条約締結で解決済みの問題を持ち出して国際法違反だという論調が多くなっています。 本書著者はキリスト教の牧師で…

荒廃農地を太陽光発電にするための条件緩和?

森林ジャーナリストという田中淳夫さんがまた太陽光発電についての情報を披露しています。 blogos.comこれまでは農地に太陽光発電装置設置ということには厳しい条件が付けられていました。 そのためか、山林などを切り払い設置ということがあちこちで相次ぎ…

「時代はさらに資本論」基礎経済科学研究所

マルクスの書いた「資本論」は、最近では再び見直され読む人も増えているということです。 その研究を続けている基礎経済科学研究所は、2008年のリーマンショックの時に「時代はまるで資本論」という本を出版しましたが、このコロナ禍の中で資本主義社会がど…

「内田樹の研究室」より「『複雑化の教育論』まえがき」

内田樹さんのブログ、「研究室」より、「複雑化の教育論」という教育に関する講演の記録を書籍化したものへ「まえがき」として書かれた文章です。 blog.tatsuru.com昨年の夏から今年にかけて各地で講演した内容をまとめたものと言うことですが、編集者が内田…

「NATROMのブログ」より、「裁判事例から学ぶ健康情報の読み方」

今回のNATROMさんのブログは、「裁判事例」についてのものですが、NATROMさん自身が裁判の証人としてかかわったということです。 natrom.hatenablog.com ある企業(一応匿名にしてあります)の販売するA飲料水というものに対し、専門家が批判的な記事を書い…

誤った安心感を与える「人工酵母で雑草からエタノール」

MITの研究者たちが雑草のセルロースをエタノールに変える人工酵母を開発し、バイオエタノール製造に進んで行くそうです。 fabcross.jp 記事中にもあるように、現在のバイオエタノールと称するものはおもにトウモロコシを原料に作られていますので、食料と競…

「上方落語ノート 第一集」桂米朝著

三代目桂米朝は、「上方落語中興の祖」と呼ばれ、人間国宝にもなりましたが、上方落語の様々な話題を数多く蒐集していました。 それを後世に残そうとまとめたのがこのシリーズで、1978年米朝が50歳を越えたあたりの年齢の時期です。 内容は落語だけでなく関…

リスク学研究者永井孝志さんのブログより「デパ地下とロックフェス」

リスク学の研究者でブログ「リスクと共により良く生きるための基礎知識」を連載している、永井孝志さんが最近の話題が集まっている「デパ地下」と「ロックフェス」について比較しています。 nagaitakashi.net 専門家の指摘ではデパートの食品売り場、いわゆ…

「67億人の水」橋下淳司著

世界の多くの地域で水不足が大きな問題となっています。 日本では幸いにも世界でももっとも水資源が豊富な状況ですが、水源の土地を外国人(特に中国人と言われる)が買収し、水を奪おうとしているという噂が流れています。 著者は特に水の問題を中心に活動…

八代市立博物館、今月の展示、「殿の道中絵巻」を見てきました。

八代市立博物館未来の森ミュージアムの今月の展示は「殿の道中絵巻」というものです。 www.city.yatsushiro.kumamoto.jp八代城主松井家は細川藩の家老職でしたが、代々徳川幕府からも直接領地を与えられていたために、代替わりの際には江戸に参府し将軍にお…

「暇と退屈の倫理学」國分功一郎著

暇で退屈、よく感じることですが、それについて哲学的な考察を行います。 哲学者の國分さんが書く本ですから、簡単なはずはないですが、新書サイズながら437ページの本はかなりの分量でもあり、読み通すのは大変なものでした。 しかも、結論の部分に、「この…