爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

祝賀ムードばかりなので、冷水を。

天皇の退位、新天皇の継承、新元号への移行と、祝賀ムードばかりでテレビもそういった番組ばかり。 もう飽きたので忘れかけていた問題点を。 皇位継承者は、現在(平成の間は)4名、皇太子、秋篠宮、秋篠宮長男、常陸宮(平成天皇弟)のみです。 秋篠宮家に…

「発掘された聖書」I.フィンケルシュタイン、N.A.シルバーマン著

以前にもその名もずばり「聖書考古学」という、日本人の研究者の方が書かれた本を読みました。 sohujojo.hatenablog.com 今度は、本場テル・アビブ大学の考古学者フィンケルシュタインさん等の書いたものです。 考古学というものが発達してきた時代の始めの…

福島の水産物輸入禁止措置に不満は分かるけど、WTO改革って言い過ぎじゃ。

WTOの裁定で、韓国が福島県等で産した水産物に輸入禁止措置を取っていることの妥当性が認められたというのは大きな問題でしたが、それに不満の日本政府はアメリカなど各国に手を回してWTO改革につなげようとしています。 www.jiji.com 確かに、今回の韓国政…

「合唱指導テクニック 基礎から実践まで」清水敬一著

私の表向きの趣味はコーラスであるということは、前にも書いたことがありますが、それに少し有益なものかもしれない本を読みました。 もちろん、そちらの方では指導の先生の教えるように歌っているだけで、この本を読んで合唱指導者の地位を狙っているなどと…

夢の話「工場の廃液処理施設にて」

久しぶりにイメージのはっきりして辻褄のあった夢を見ました。 このところ、疲れも溜まっていたのか、強烈なイメージだけの夢が多かったようで、まとまりが全然なかった。 今日の夢は、工場の現場で「廃液焼却装置」に関わるところです。 私はどうやらオペレ…

「ダーリンの頭ン中 英語と語学」小栗左多里&トニー・ラザロ著

トニー・ラザロさんはハンガリーとイタリア系で、英語で教育を受け、さらにドイツ語スペイン語中国語も話すという人ですが、もう30年ほど前から日本にやってきたそうです。 そして、漫画家の小栗さんと知り合い結婚しました。 小栗さんも英語は話せるよう…

予言と預言

かつて言葉をかわしていた人のブログの中で、「私は預言者」といったことを書いていたことがありました。 現在の漢字の意味の使い分けでは、「予」は”あらかじめ”(予約など)、「預」は”あずかる”(預金など)の意味に使うことが多いため、予言は”未来のこ…

「内田樹の研究室」より「涅槃状態に入った安倍政権」

涅槃(ねはん、ニルヴァーナ)とは、仏教で言う、煩悩を超越し悟りの境地に入った状態のことです。 ただし、本当に悟って煩悩を消滅させたのなら良いのでしょうが、どんなにひどい状態であっても「自分はこれで良いのだ」と自分で自分に言い聞かせ、それ以上…

富士山が身近であった日々

NHK-BSで放送している番組に、「にっぽん縦断こころ旅」というのがあり、火野正平さんが自転車で全国あちこちを走り回るというもので、以前から楽しみに見ていますが、今朝の放送では静岡県の富士宮市が出ていました。 www4.nhk.or.jp 実は、この番組でも何…

「ゾンビ・パラサイト ホストを操る寄生生物たち」小澤祥司著

他の生物の体内に寄生する動物は多種ありますが、その中にはホストの行動を操り、自らの生存と種の繁栄に有利なように仕向けることができるものもあります。 寄生されたことにより脳の働きが正常ではなくなり、おかしな行動を取っていると見られていたのです…

「資料で読む 世界の8月15日」川島真、貴志俊彦編

終戦記念日といえば「8月15日」というのが当然のように感じますが、実はこの日を第二次大戦の日本戦が終わった日として認識しているところはあまり多くはありません。 それはこの日の意味を考えてみると分かります。 1945年8月15日に、前日にポツ…

「令」の字の用法で大切なのを思い出した

新元号の「令和」、「令」の字が気になるということは書いてきましたが、その用法で重大なのを思い出しました。 巧言令色鮮し仁 です。 もちろん、有名な孔子の言葉をまとめた「論語」の中の言葉です。 論語の中でも一番最初の「学而」篇の第3文にあります…

「食育のウソとホント 捏造される『和食の伝統』」魚柄仁之助著

「食育」とは、食べること全体について教えるということなのでしょうが、どうもこう唱えている人の中には「伝統的な和食」推進とか、「地産地消」といったことを絡めたいということが多いようです。 こういった風潮に対し、食文化研究家として面白い視点から…

嘆かわしい話 スイカの名産地熊本市植木でスイカ泥棒横行

ブランド農産物に高値がつくというのは最近よく耳にするところです。 早くもスイカが出回っているということで、これも高値で取引されているようですが、その名産地の熊本市植木で農地からのスイカ泥棒が横行しているそうです。 www.tku.co.jp テレビニュー…

「株式会社化する日本」内田樹、鳩山友紀夫、木村朗著

内田樹さんはその著書を何冊か読んで以来、非常に的確な社会情勢の判断に感服し、その後「内田樹の研究室」というブログを常に拝読し注目しています。 今回は、その内田さんが元首相の鳩山友紀夫さん、鹿児島大学の木村朗さんと鼎談したという本をたまたま訪…

相次ぐ不条理な交通事故

池袋の高齢者運転の事故に続き、神戸ではバスが暴走し若い方が亡くなりました。 news.livedoor.com 池袋の事故について、これで高齢者の運転制限と結びつけるような風潮になることには警戒感を感じましたが、今回の運転手は糖尿病で入院後少し前に復帰したと…

「掟破り」大下英治著

社会の様々な集団には、法律以前の「掟」と呼ばれる規律が存在し、それを破ったものに対しては厳しい処罰が下されるということがあります。 暴力団などのアウトロー集団では法律に頼るわけにはいかないのでなおさら「掟」の持つ意味が大きいのでしょうが、ア…

ここまで来てしまったか。反対はしないけれど、何か気になる。長崎大学で喫煙者は採用せず。

長崎大学では、教職員の採用にあたって、喫煙者は除外することにしたそうです。 news.biglobe.ne.jp他の企業などでも喫煙者を禁煙させるといった活動が広がっているとか。 blogos.com 私も学生時代に若気の至りで数ヶ月吸ったことがありますが、すぐに止めて…

「地形観察 ウォーキングガイド」目代邦康著

日本は火山活動や造山運動が活発なためでしょうか、いたる所に興味深い地形があるようです。 実際にそこへ行ってみて、自分の目で観察してみたいという、「地形ファン」も多いのでしょう。 この本はそういったファン向けに、観察のガイドとして書かれたもの…

またも高齢者運転の車が悲惨な事故。「高齢者の運転」が悪いというだけでは終わらない

東京で87歳の男性の運転する自動車が暴走し、自転車に乗って横断歩道を渡っていた母子が死亡、他にも多数の怪我人を出すという事故が起きました。 headlines.yahoo.co.jp 運転していた男性は、「アクセルが戻らなかった」と話しているそうですが、どうも自…

「空飛ぶ巨大技術 ジャンボ」中村浩美著

ボーイング747、「ジャンボ」という愛称が広く使われていました。 その巨大な機体で500人以上の乗客を乗せることができ、空の旅行の需要が伸び続けている時には最適の航空機として多くの路線に導入されていました。 しかし、燃費の悪さから昨今では完…

「消費税率引き上げ」を止めるほど景気は悪いのか

安倍首相側近と言われる萩生田光一幹事長代行が「消費税率引き上げ延期」に言及したということで、波紋が広がっているということです。 jp.reuters.comこれは萩生田の個人的な意見という見方もありますが、安倍の何らかの意志が働いている可能性もあります。…

「保守派」全盛の現代、なにを「保ち守ろう」というのか。大変動に備えるには大改革をしなければ存続も危うい。(その3)

「シリーズその3」はつい最近まで注目を集めていた原発問題です。 いつのまにか、まったく話を聞かなくなりました。 忘却力というものがあるとすれば、日本人のその能力は素晴らしいものです。 その5 原発依存の回避 ①やがてくる激変 福島の危険除去もでき…

「地球的問題の政治学」中村研一著

現代の地球の懸案である問題は、どれもが地球的規模のものであり、小さな国がそれぞれ対応したとしても解決は難しいものです。 しかし、それに対して全地球的に対応しようとしてもその組織自体が存在しないことも多く、何もできていない状態であると言えるで…

社会の裏読みは面白い アサンジ逮捕はトランプの策略?

田中宇さんの「国際ニュース解説」には、ウィキリークス事件の首謀者アサンジが匿われていたエクアドルの駐英大使館から追い出されて逮捕されていた件について書かれています。 tanakanews.com この裏には、当然ながらアメリカ政府が絡んでいるとは思いまし…

「スフィンクスと日本刀」ヒシャム・バドル著

著者のバドルさんはエジプトの外交官であり、2003年から2007年の間は駐日大使でした。 この本は大使を退任し帰国した直後の2008年に書かれたものです。 2001年のニューヨークなどでの同時多発テロ以来、イスラム教徒をテロ集団と見なすよう…

最近、ゴミあさりのカラスが少ない。もしかして?

今日は火曜日、このあたりの生ゴミ収集の日です。 ちょっと周囲を歩きましたが、どうもカラスが少ない。 少し前には、ごみ収集日には数十匹から多いときには数百匹は集まって、ゴミ置き場に掛けられたカラス対策の網の隙間から生ゴミを狙っていたものです。 …

「現代日本の歴史認識 その自覚せざる欠落を問う」中塚明著

1931年(昭和6年)の満州事変から日中戦争の深みにはまり、さらに各国との戦争に陥って敗戦したという、昭和の前半に時代はよほどの国家主義者でなければ「誤った時代」「軍部の暴走を招き無謀な戦争をした時代」というのが通常の認識でしょう。 しかし…

新元号の考案者?中西進氏が、「万葉集の記述と中国原典は違う」と強弁

自分では否定しているようですが、新元号考案者と見られている中西進氏が、「万葉集での”令月”は中国とは違う」と言っているようです。 news.livedoor.com おそらくは、万葉集の序文に書かれているものは、中国に出典があるという指摘が相次いだことに対して…

「医学探偵の歴史事件簿」小長谷正明著

神経内科医で病院長も勤められているという、小長谷さんの本は前にも1冊読んでいますが、中々の筆力と感じました。 sohujojo.hatenablog.com 前の本は病気について正面から説明するものでしたが、本書は様々な歴史上の人物の健康と病気、死についてエッセイ…