爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

久しぶりに散歩に出たらいきなりノーリード散歩の犬

連日の猛暑日に出歩く気にもなれずに一ヶ月以上も散歩をサボっていましたが、ようやく気温が下がり今日も30度に届かないということでしばらくぶりに散歩に出ました。 さすがに足が衰えていてすぐに痛みが出たので早々に引き上げましたが、そのわずかな距離…

「日本人はなぜ国際人になれないのか 翻訳文化大国の蹉跌」榊原英資著

榊原さんの本は以前にも一冊読んでおり、その際も著述姿勢に対して疑問を感じておりました。 「幼稚化する日本社会 拝金主義と反知性主義」榊原英資著 - 爽風上々のブログ この本も、日本の「翻訳文化」というものを批判し、速やかに英語による教育を実施し…

「数学記号を読む辞典」瀬山士郎著

数学(小学校では算数)は義務教育から高校大学と多くの時間をかけて学習していますが、分からない、嫌いといった反応を示す人が多いのではないかと思います。 数学には数式や記号といった表記があることがその感情を増しているのではということで、数学教育…

夢の話「再び独身寮に入る 後半は支離滅裂で選挙で大勝過半数目前」

いつも同じ、今朝方見た夢の話ですが、最近はちょっと公開するのがはばかられる内容ばかりだったので間隔が空いてしまっていました。ようやくちょっと不思議な夢を見てしまいました。 夢というのも同じ日に色々な内容のものを続けざまに見るもののようで、今…

「バカが多いのには理由がある」橘玲著

何とも刺激的な題名ですが、中味はまあ正論に近いものでしょう。(”正しい論議”という本来の意味の”正論”です。決してあの名と体と乖離している雑誌のことではありません) 著者は雑誌社の編集を経験された作家ということですが、本名は不明ともあります。 …

「日本の地名」藤岡謙二郎著

以前にまったく同じ書名「日本の地名」という本を読みましたが、そちらは1997年出版の谷川健一さんの著書でした。 この本はそれよりもかなり古い、1974年出版、藤岡謙二郎さん当時京都大学教授の著書です。 谷川さんの本は地形やそこから来る表現に…

「武田康男の 空の撮り方」武田康男著

2年ほど前にデジタル1眼レフカメラを買ったのですが、旅行以外ではあまり撮影することもなく、時々近くを通る蒸気機関車を撮りに行ったり家の庭で咲く花を撮ったりという程度で、撮影技術もなかなか向上しないままです。 図書館で見つけたこの本は「空の撮…

FOOCOM.NET専門家コラム 平川あずささんの”若い女性の「痩せ方」にモラルを”

管理栄養士にして、食生活ジャーナリストの平川あずささんが書いているのが、「若い女性の痩せ方にモラルを」という記事です。 www.foocom.net 早稲田大学教授で産婦人科医の福岡秀興氏によれば、出生時体重が2500g未満の低体重児が増えており、その原因は…

「黒曜石 3万年の旅」堤隆著

黒曜石というと石器時代から縄文時代までの間に石器の貴重な原材料として使われていた石ですが、その優れた品質のものは長野県の和田峠や神津島、隠岐の島など限られたところから採られたものです。 そしてそれがかなり遠く離れたところまで運ばれて使われて…

IARCより、「甲状腺がんの患者増加は過剰診断」という研究結果発表

いつも参考にさせて頂いている、畝山智香子さんの「食品安全情報blog」8月19日の記事に表題の紹介がありました。 食品安全情報blog IARCといえば、最近も赤身の肉が発がん性ありなどという研究結果を発表し物議を醸している機関ですが、WHO(世界保健機関…

「脱永続敗戦論 民主主義を知らない国の未来」小川仁志著

「永続敗戦論」といえば2013年に出版されて話題になったという、白井聡さんの著書で、第2次大戦で敗戦した結果の対米従属が永続的なものとなっているという状況を述べたものですが、本書はその本の問題提起に対し著者の小川さんがその状態をなんとして…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1158 組織票と無党派層の選挙

賀茂川さんのブログ、参議院選挙についてです。 kamogawakosuke.info新たに選挙権を獲得した19歳の有権者の投票率は40%に満たなかったそうです。 とはいえ、全体の投票率は54%、ただ単に習慣的に投票する人と一緒にはできませんが。 問題はもちろん、…

オリンピック メダル数を競うにしてもね

リオデジャネイロオリンピック(しかし、長いのはわかるけれどリオ五輪とはちょっと略しすぎでは)も現在まで日本の金メダル7個をはじめとして総数29個(17日)と好調ぶりをアピールしています。 しかし、単にメダル数が何個と言って競うというのに何か…

鳥貴族でチューハイに消毒用アルコール使用のミス

安いということで有名な「鳥貴族」という店で、チューハイに消毒用アルコールを使ってしまい謝罪しました。 テレビのワイドショーでも報道されましたが、相変わらず「消毒用アルコールは糖蜜などを原料に作成」とかいった的外れ指摘でした。 糖蜜などを原料…

「研究不正 科学者の捏造・改竄・盗用」黒木登志夫著

著者の黒木先生は長年ガン細胞の基礎研究に携わってきた方ですが、本書中にも記載されているように不正な研究というものは医学分野に非常に多いという関係もあり、研究不正を防ぐということが必要ということを強く感じてこの本を書かれたそうです。 2014…

「日本を変える!若手論客20の提言」田原総一朗著

ジャーナリストの田原氏が「潮」誌上で2012年から2013年にかけて若手論客と対談したものを連載していたそうですが、その20人分を若干加筆してまとめたということです。 対談の相手は古市憲寿氏、萱野稔人氏、木村草太氏などの面々で、およそ年代は…

「ことば遊びの楽しみ」阿刀田高著

著者の阿刀田さんはミステリーやショートショートなどを書くことが多く、その中に知的なものを感じるところがあり、何冊かは買って読んだこともあります。 この本はそういった著者のバックボーンとなったかもしれないような、「ことば遊び」に関する随想にな…

「南海トラフ地震」山岡耕春著

かつては東海地震ばかりが危険視されその対策が重視されてきましたが、それの引き金となる南海トラフでの地震発生のメカニズムが研究されていくにつれ、東海から東南海、南海まで、すなわち南海トラフ全体が震源となる巨大地震発生の可能性もあるということ…

「NHKスペシャル 故宮 至宝が語る中華5000年 第1巻」 NHK取材班 陳舜臣 阿辻哲次著

故宮といえば中国の旧王朝時代の宮殿のことですが、それを中華民国成立以降は歴代王朝の財宝の博物館として使っていました。 その後、国共内戦の時に国民党が大陸内での戦闘で敗れ台湾に逃げる際にその多くを持ち去り作ったのが台北にある故宮博物院です。 …

「内陸都市はなぜ暑いか」福岡義高、中川清隆編著

真夏の暑さの中、毎日「猛暑日」という言葉を聞かないことがないようなこの頃ですが、特に暑い地域というのはたいてい決まっているようで、埼玉県や群馬県、静岡県岐阜県といったところが高温を記録したとニュースになります。 安易なニュースなどではお決ま…

夢の話「なぜかツイッターをしようとする」

今のところツイッターというものは書くこともなく、ほとんど見ることもありません。 自分は140文字以内ですべて完結できるほど単純な思考はしていないという思いもあり、また青年時代に短歌や俳句を試作してみようとしても、どうしても上手くできなかった…

「監視カメラは何を見ているのか」大谷明宏著

著者の大谷さんは新聞記者を経てフリーのジャーナリストとして活躍されている方で、テレビでもお見かけしたことがあります。 監視カメラ(防犯カメラと言われることが多いが、本書では防犯の機能は限られていて政府権力の監視の意味が強いとしてこう呼ばれる…

「聞かないマスコミ 答えない政治家」池上彰著

テレビ番組出演が多い池上さんですが、元々はNHKの社会部記者で取材活動も長くやってきたそうです。 池上さんは2012年の衆議院議員選挙の開票の際、テレビ東京の選挙特番の司会を担当したそうです。 その時の反響は大きく、高く評価されたそうです。 と…

オリンピックあれこれ メダルが欲しいのはわかるけどね あとは柔道界の体質

あまりオリンピックの中継は見る方ではないのですが、今はテレビを見ればそればかりなので仕方なく目に入ってきます。 昨日の朝もテレビを見るとその直前に終わったらしい柔道の男子66kg級の表彰式が。 どうやらその決勝戦で勝ったイタリアの選手が喜び…

「佐藤さんはなぜいっぱいいるのか?」茅原裕二著

民俗学や社会学の本ではなく、「商標」に関する内容の本で、弁理士の茅原さんが書いています。 タイトルは冒頭にあるように、やはり「竿だけ屋はなぜ潰れないのか」を意識して付けたということですが、ちょっと違うかも。 実はその「タイトル名の付け方」と…

「”負け組”のアメリカ史 アメリカンドリームを支えた失敗者たち」スコット・A・サンデージ著

アメリカンドリームというものがまだあるのかどうか分かりませんが、誰でもやる気と才能さえあれば家柄や身分の違いなど無く成功できるという社会がアメリカというものであるということになっていました。 そのような成功者の物語はいくつも見ることができ、…

「先端巨大科学で探る地球」金田義行、佐藤哲也、巽好幸、鳥海光弘著

地球の内部に関する学問、地球科学は地震や火山の災害に大きく関わることから研究も注目されますが、実際はまだ地底の実物に触れたということはありません。 時々起こる火山の噴出物や地震の振動の伝わり方を見て解析を進めてきました。 しかし、現在では様…

エネルギー消費の増大を伴わずに経済成長ができるのか

世界の主要国ではどこも経済状況が沈滞しており、それを上向かせようとして様々な方策を実施しています。 日本ではまた懲りもせず巨額の国費投入による消費増大に頼るようで、将来のことなど何にも考えていない為政者を持つという不幸な状態になっています。…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1157 加速するアベノミクス

賀茂川耕助さんの言うことですから、「加速するアベノミクス」などという表題でも、もちろん提灯持ち記事ではありません。 kamogawakosuke.info主題は年金基金運用基金(GPIF)の運用成績の巨額の赤字です。 2015年度の赤字額がなんと5兆5千億円とか。 しか…

「家族の衰退が招く未来」山田昌宏、塚崎公義著

経済の停滞が長く続いており、その出口はなかなか見えないものになっています。 また、「家族」というものの変質も大きな社会問題化となっており、その実態や影響が不安視されるところです。 しかし、経済学者と社会学者というものは学問の分野が相当異なる…