爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「”食べ物情報”ウソ・ホント 氾濫する情報を正しく読み取る」高橋久仁子著

群馬大学教授の高橋久仁子さんは「フードファディズム」というものを日本で最初に紹介された方ですが、この本はそれを一般向けにブルーバックスで書かれたかなり早い時期のものです。 実は私がこの本を買ったのも出版からさほど遅れない時期で1999年頃だ…

「企業福祉の終焉 格差の時代にどう対応すべきか」橘木俊詔著

「企業福祉」と言ってもなかなかその内容がイメージしにくいのですが、厚生年金の保険料の企業負担分や健康保険、また社宅や退職金、企業年金なども含めてそう呼ぶそうです。 そう言われてみれば、これまでのちょっと大きな会社では必ず存在していた制度であ…

「鉄道・路線廃止と代替バス」堀内重人著

日本国有鉄道(国鉄)の膨大な赤字が問題となり、改革が必要という雰囲気の中1980年に国鉄再建法が成立しましたが、これは国鉄の路線を幹線と地方交通線とに分け、地方交通線は鉄道からバスへの転換をすることになりました。 その後、ごく一部の路線は第三セ…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1146 注目集まるトランプ氏

賀茂川さんのブログ、今回はなかなか勢いの衰えないアメリカ共和党大統領候補のトランプ氏についてです。 No. 1146 注目集まるトランプ氏 | 耕助のブログ 共和党主流派といわれる人々は何とかトランプ阻止ということに絞った選挙対策をしているようですが、…

「真田幸村と真田丸」渡邊大門著

まさに今年はNHK大河ドラマで扱われている真田幸村(信繁)ですが、その最も有名なエピソードは豊臣家の最後の戦いである大阪冬の陣、夏の陣で徳川を苦しめたというところでしょう。 しかし、その実像はどうやらかなり歪められて伝えられていたようです。 こ…

「首都直下地震」平田直著

この本は先々週に読み、この原稿は4月12日、熊本地震発生の2日前に書いていました。自分の足元の危険性も分からずに首都圏の心配をしていたことになりますが、それは仕方のない事でしょう。 災害研究者や担当官などにとっても異例ずくめの熊本地震でした…

テレビCM自粛の動きは

熊本地震発生直後から熊本ではテレビCMが例の「ACジャパン」というのものに入れ替えられるということが増えたようです。 とは言ってもあの東日本大震災の時のようにほぼ全てが替えられたというころもなく、せいぜい8割程度といった感じでしょうか。 こうい…

「邪馬台国への旅 日本全国比定地トラベルガイド50」邪馬台国探検隊編

邪馬台国がどこにあったかということは昔から論争の種でしたが、ここぞその地という説が何十もあるという状態です。 この本はそのうち代表的な50の地域についてその地域を邪馬台国と提唱している人の名前、遺跡などの写真、地図、アクセス等の情報を簡潔に…

「時代小説で読む日本史」末國善己著

(まだまだ地震終息にはほど遠いのですが、これまで書き溜めた記事下書きも多いのでちょっとずつ公開していきます。これを書いた時はまだ静な時だったなと思い返すとこの1週間の出来事が夢のようです。本当に夢だったらまだ良いのですが、現実です) 文芸評…

熊本地震1週間

先週木曜日14日夜に始まった熊本地震は1週間が経過しました。 と言うことは最初の地震で避難した人たちはかなり長い避難生活にもなっているのも確かで、繰り返し報道されるように劣悪な避難環境で苦しい思いをしておられるのでしょう。 しかし問題なのは…

もはや熊本群発地震 6日目

熊本南西側の八代市などが恐れていた日奈久断層への震源域拡大がやはり起きてしまいました。 昨夕6時前と9時前に震度5程度のものが起き、小さな余震がひっきりなしに起きています。 市民の恐怖も非常に大きなもので、昨日までは夜間に8000人程度の避…

熊本震災5日目

今朝も何とか無事に目をさますことができました。 余震の回数は減っているようですが、夜間に結構大きなものがあったようです。しかし、もうその程度では目も覚めないほどに疲れているようです。 しかし、最初の震源地から南へ伸びる日奈久断層方面では不気…

「これは誰の危機か、未来は誰のものか」スーザン・ジョージ著

富裕層の暴虐な行為で危機に瀕している資本主義ですが、それを厳しく糾弾しているスーザン・ジョージの本です。 詳しく書評を書きたいのですが、ちょうど今は熊本震災の真っ只中で我が家の近くまで震源が迫っておりとてもそのような余裕はありません。 もし…

熊本震災3夜目

3回めの夜が過ぎました。 暴風雨が予想されたためにかなり警戒されていましたが、どうだったのでしょうか。 昨夜は2晩連続でほとんど眠れなかったために早く就寝しましたが、このまま朝までゆっくりと眠れるのかどうか半信半疑でした。しかし何とか5時くら…

前の熊本地震は前震で今度のが本震?

14日夜の地震以来ほとんど眠れず昨夜は早めに寝たのですが深夜にさらに大きな揺れで目を覚ましました。 前の地震よりも強い揺れでこれはまずいと思いましたが、何とか家は大丈夫、家具も倒れることもなく、本が数冊落ちた程度で済みました。 しかし、家のす…

”賀茂川耕助のブログ”を読んで No.1145 金融危機再び

賀茂川耕助さんのブログ、今回はスイスバーゼルに本部のある国債決済銀行が出した報告書に、「金融危機が起きる可能性がある」とあるそうです。 No. 1145 金融危機再び | 耕助のブログ またヨーロッパや日本で実施されているマイナス金利についても触れてあ…

熊本で震度7の強い地震

昨夜熊本市付近を震源とする最大震度7という強い地震がありました。 発表によれば当地八代市でも震度5弱だったということで、パソコンを見ていたのですが強い揺れでモニターが落ちそうになり必死で抑えました。 棚などから物がいくつか落ちましたが、それ…

「ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか」原田泰著

元経済企画庁の職員でその後大和総研などで研究を続け、現在は早稲田大学に移られた原田さんの本は、2年前に一度読んだことがあります。 「日本はなぜ貧しい人が多いのか」原田泰著 - 爽風上々のブログ その時は日本の年金支給額は高過ぎるといった主張に反…

「昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか」大塚ひかり著

昔話といえば「お爺さんとお婆さんが」と始まるものが多いようですが、それが何故なのか、どのような社会的な背景があるのかということを、エッセイストで古典に関するものが主という著者が、かなりハードに本格的に考察されています。 昔話というものの成立…

「”世代”の正体 なぜ日本人は世代論が好きなのか」長山靖生著

著者の長山さんは本業は歯科医ということで、そのかたわら社会評論などの書物を出版されているというのが驚きです。 内容はまったく専門家の考察を思わせるものでした。 「世代」ということは良く話される話題ですが、それが本当に「世代」によるものか、も…

夢の話「前に居た会社の一般公開に行く」

本日未明に見た夢は非常に詳細で鮮明、登場人物もはっきりしているものでした。 前に勤めていた会社では今でも地域住民への場内の一般公開というイベントを行っており、退職後も2回ほど行ったことがありますが最近はスケジュールが合わずに訪れていません。 …

「ピザの歴史」キャロル・ヘルストスキー著

ピザといえば宅配ピザが相変わらずの盛況のようで、熊本の田舎町の我が家の近くにもつい最近ドミノ・ピザが開店しました。 ピザというものに最初に触れたのはもう40年以上も前になりますが、あのチーズがトロリと溶けるというものが信じられないくらいに美味…

「47都道府県の子どもたち」舞田敏彦著

「今どきの子供は」とは良く言われますが、その実像はなかなかきちんと測られているものではないようです。 特に、「子供」というものは非常に狭い範囲で生活しているということから、日本全体として見てもあまり統一的なものが得られるわけではなく、地域ご…

「食のリスク学」中西準子著

日本においてリスク論を確立した中西さんですが、それは中西さんがそれまで携わってきた環境学に関連して発展させていきました。 しかし、以前から中西さんがネット上で続けてこられた「雑感」というブログの内容を振り返ってみると、食に関するものが多いと…

「ひと目でわかる 戦前日本の真実」水間政憲著

カバーの美少女の写真に惹かれて図書館で借りてしまいました。 その人は10代の頃の原節子さんでした。 しかし、中身を見てびっくり。太平洋戦争の戦前、戦中の写真がたくさん掲載されているのですが、そこに付けられた説明が「笑顔で勤労奉仕に励む女学生」…

FOOCOM.NET専門家コラムに児林聡美さんの栄養疫学に関する記事スタート

FOOCOM.NETの専門家コラムという欄に今回あらたに児林聡美さんが、「食情報、栄養疫学で読み解く」というコーナーをスタートされました。 最初の記事は、「きっかけは鮭茶漬け、栄養疫学が自分の研究フィールドになったわけ」というものです。 きっかけは鮭…

選挙権を与えられたから必ず選挙に行けと無理強いされる若者たち、それでも誰に投票すれば良いのか

今度の参議院選挙から選挙権が18歳以上に与えられるということで、テレビでも色々と取り上げられています。 選挙をするのは国民の義務?(権利だっけ?)ということで、必ず投票に行くようにと言われていますが、さて誰に投票しようかと考えて非常に困るの…

「池上彰の”世界が変わる!”池上彰著

本書出版はリーマン・ショック直後の2009年です。 その当時の最新の世界の政治経済問題について解説されているのですが、それから7年たち状況はかなり変わっていると言えます。 この本で取り上げられたことがまったく様相を変えてしまっているものもあり、若…

夢の話「戦争に巻き込まれる」

このところ、夢を見なかったわけではないのですが、たいてい支離滅裂であったり、ちょっと文章にはできないというものばかりで、しばらく間隔が空いてしまいましたが、今朝未明に見た夢は久しぶりに鮮明で理路整然としたものでした。 それはいきなり戦争が起…

「東京オリンピックの社会経済史」老川慶喜編著

本書出版は2009年10月で、2016年オリンピック開催地決定の直前であり東京開催が有力と見られている時でした。 その時は結局リオデジャネイロに敗れたのですが、2020年開催は勝ち取ることができました。 それにちなんでということでもないのでしょうが、東京…