爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ヘイトスピーチ規制について国連委員会より指摘

ヘイトスピーチに関する本は何冊か読んで読書記録に書いていますが、この規制の遅れについて国連の人種差別撤廃委員会から指摘されたということがニュースになっています。 相も変わらず国連が絡むと報道すると言う姿勢はともかくとして。しかし、自民党の検…

「21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集 時間はだれも待ってくれない」高野史緒編

1980年に本書の出版元と同じ東京創元社から東欧SF傑作集という本が出版されました。これは前年に出版されたソビエトSF傑作集の姉妹編として出されたものだそうです。それから30年を経て、ソビエトなるものも消滅し、東欧というものもあやふやになった…

「黒田官兵衛」諏訪勝則著

本書の出版は昨年の暮れですので、今年の大河ドラマは意識はしての本かもしれません。 著者の諏訪さんは専門の歴史学者ではないようで、趣味で研究を続けている方のようです。しかし、内容は非常に的確かと思います。大河ドラマの方は8月現在、信長が本能寺…

「迷惑メール返事をしたらこうなった」多田文明著

悪徳商法の体験ルポを書いているルポライターの多田さんの本で、前にクリックしたらこうなったという本は読みましたが、今回は迷惑メールに返事をしたらと言うものです。 もちろん、通常は返事などは絶対にせずにすべてすぐ廃棄というのが当然なんですが、ル…

「やさしくわかるコンプライアンス 茶髪って違反ですか?」あずさビジネススクール著

企業や個人に対し企業マネジメントについての教育などを行うあずさビジネススクールという機関の方数名が書かれたコンプライアンスについての啓蒙解説書です。コンプライアンスというと「法令遵守」という訳語で知られている面が強いようですが、本書内でも…

「奇貨おくべし 黄河篇」宮城谷昌光著

呂不韋の物語第3巻です。 孟嘗君田文の客となった呂不韋ですが、薛を離れ田文の縁者が半独立で農業を行っているところへ行き、その指導者の農業に対する能力を知ることになります。 しかし、ちょうどそのとき田文が世を去ってしまい、その息子たちが争う事…

「日本古代の国家形成」水野佑著

この本はかなり久し振りの再読ということになります。発行年を見るとおそらく40年以上前の私の高校生時代に購入したのではないかと思いますが、その後はあまり読み返した覚えがありません。著者の当時早稲田大学教授の水野氏は戦後もかなり早い時期に戦前…

「誰のための”教育再生”か」藤田英典編

2007年に小泉内閣に引き続いて問題のある教育改革を進めていた安倍内閣がつぶれ、そこで一安心してその教育改革の問題点をまとめて編者の藤田さんや他にも尾木直樹さんなどの教育評論家、教育学者、弁護士などの人が執筆した当時の「教育再生」政策の批判を…

小澤年満さん写真展

長らく鉄道趣味の世界で活躍され、今年3月に亡くなられた小澤年満さんの写真展を見に行ってきました。 小澤さんは小中学校の教員を務める傍ら、昭和30年代から蒸気機関車写真撮影などで有名だった方ですが、もっとも大きな業績は熊本機関区を最後に廃車と…

「○×チェックでみるみるわかる 教養のある日本語 教養のない日本語」籾山洋介著

名古屋大学教授の著者ですが、専門は認知言語学ということですので、本書の内容は専門領域とはあまり関係が無いのかもしれません。 さまざまな言葉の使い方の例を挙げ、それが正しいかどうかを判定すると言う内容ですので、教養のあるなしというのもさほど出…

政治の不思議 なぜ投票するのか

ノーベル経済学賞受賞のジョセフ・スティグリッツ教授の本を読んで、アメリカの政治と言うものは上位1%の富裕層をさらに豊かにするための政策に邁進しているということがわかりましたが、一番の疑問はなぜそのような政府が選挙を経て政権につけるのかとい…

ハザードマップ

広島の土砂災害では多数の方が命を落とされてしまいました。まことに残念なことであり、亡くなられた方々のご冥福を祈ります。しかし、被害にあわれた家々がまだ新築同様のきれいな建物であることが印象的でした。 それが、広島市のハザードマップによれば土…

「これ1冊で高校数学のホントの使い方がわかる本」蔵本貴文著

中高生くらいの生徒の、「学校で習う数学なんてなんの役に立つの」という疑問にはなかなか答えるのが難しいのですが、大学卒業後メーカーに就職してエンジニアをしているという正に好適な著者が解説をしています。 出てくる数学知識が高校生でなければ正確に…

「世界の99%を貧困にする経済」ジョセフ・E・スティグリッツ著

いくつもの有名大学で教鞭を取り、クリントン政権の経済諮問委員会委員長もつとめ、2001年にノーベル経済学賞を取ったと言うスティグリッツ教授がアメリカの富裕層によりゆがめられている政治と経済を厳しく糾弾した本です。 日本でも2012年の出版時にはかな…

「信長と消えた家臣たち 失脚・粛清・謀反」谷口克広著

今放送中の大河ドラマでも信長の家臣の謀反が描かれており、ちょうどこの前の放送で最後の謀反、本能寺の変が流れていましたが、そこの事情は戦国の常の下克上といったものとは少し違ったものがあったように感じていました。このあたりの事情を専門の歴史研…

「奇貨居くべし 火雲篇」宮城谷昌光著

呂不韋の話の第2巻です。 和氏の璧を秦から持ち帰る途中、病気になった不韋は藺相如の領地で療養しますが、そこを秦の軍に襲撃され捕まり奴隷とされて秦の町の工事に使役されます。 なんとそこの奴隷仲間に荀子がいて、その教えを受けるのですが、その後軍隊…

「明日をどこまで計算できるか?予測する科学の歴史と可能性」デイヴィット・オレル著

著者はカナダ在住の数学者ということで、予測についても数学的なモデルからのアプローチということのようです。ただし、学術研究だけの人ではなくサイエンス・ライターもしているということですが、その割には?かなり読みづらい本でした。 ハードカバーで総…

高校野球選手の出身地

甲子園の全国高校野球大会で熱戦を繰り広げられていますが、ネット上で面白いサイトを見つけました。 「甲子園球児における出身地と出場校」というものですが、ベンチ入り登録メンバーの出身中学がどの都道府県かというところを一目で分かるように表示したも…

「シュメル 人類最古の文明」小林登志子著

メソポタミア文明の最初はシュメル人が開きました。シュメル文化と言ってもほとんど知られていることは無く、楔形文字程度であるかもしれません。 その人類最古と言っても良い文明について、オリエント研究に長年携わってきた著者が詳細な解説をされたもので…

エネルギー文明論「ガソリン価格が10倍になったら 家庭生活」

ガソリン価格が高騰し、夏休みの帰省や行楽に影響などといったニュースは流れますが、これが最高値とは限りません。いや、さらに高騰は続くと考えた方が良いでしょう。 その価格が今の10倍になったら、これは荒唐無稽な話でしょうか。 現在はリッターあたり1…

夢の話「今日の悪夢 英語で研究発表」

久し振りに今日見た夢の話です。もう退職してから2年以上経つのにまだ仕事の夢です。しかも今日のはかなりリアルで詳細なものでした。だいぶ前になりますが、関東地方の研究所にいたころは提携先の企業や大学などに研究連絡などに出張することが時々ありまし…

安倍川花火大会での食中毒続報

2日前の調査では患者が450人あまりにのぼり、最近では最大のO157食中毒事件になったようです。 なお、露店等の販売では生ものは禁止ですが、刺身や寿司といったものが該当し、今回のようなきゅうりの場合は当てはまらずに許認可の対象外と保健所の見解が出た…

「ポピュリズムを考える」吉田徹著

政治学者で北海道大学准教授の著者がポピュリズムというものについて古今東西のあれこれを解説していますので、全体を把握するには有益かと思います。ポピュリズムというと、人気取りの政策で力を掴む政治家というイメージで、サルコジやベルルスコーニとい…

静岡で大規模食中毒

当方(九州の片田舎)ではほとんど報道も無かったので気がつかなかったのですが、静岡市の安倍川花火大会の露店で「冷やしきゅうり」を食べた人でO157大腸菌による食中毒の被害が大規模に出ているそうです。行事の臨時営業で生ものは駄目だろうと思いました…

「タンパク質の一生 生命活動の舞台裏」永田和宏著

京都大学再生医科学研究所教授の永田さんが、タンパク質に関してその合成から輸送、分解に至る一生を解説するという形で生命現象を易しく一般向けに解説しているものです。 京大のその研究所といえば、山中伸哉教授の所属研究所ですが、実際に永田教授の研究…

戦争はしませんとはどういうことか

今日は長崎原爆投下の日、15日は第二次大戦終戦の日と戦争関係の記念日が連続する季節で、テレビの番組も関連するものが多くなりますが、そこで必ず出てくるのが「決して戦争はしてはいけない」という言葉です。あまりにも安易に繰り返されるために反感も…

「鉄道名所の事典」伊藤博康著

鉄道趣味のサイトの鉄道フォーラムを立ち上げている伊藤さんが日本全国の鉄道名所100箇所を選び、見開き2ページで解説しているというものです。 ちなみに私はそのうち26箇所に行った・通った・見たことがあります。景色・ユニーク・施設・懐古・日本一の各視…

「帝国大学の誕生 国際比較の中の東大」中山茂著

科学史が専門の中山さんですが、東京大学の歴史の中でその誕生の頃についての調査研究もされており、その成果を一般向けに新書にまとめられています。 ちょっと前の本ですので、まだ講座制も昔どおりだった当時とかで、現在とは若干の差もあるかもしれません…

「奇貨居くべし 春風篇」宮城谷昌光著

中国の戦国時代、秦で宰相として権力の座についた呂不韋の物語です。 秦の始皇帝の父親、荘襄王が人質として他国で苦しんでいたのを見出し、「奇貨おくべし」と言ってその援助をしさらに王の後継者となれるように尽力して成功し、その王子の始皇帝も実は呂の…

「日本語の歴史2 文字とのめぐりあい」編集委員 亀井孝、大藤時彦 山田俊雄

第1巻の読後感想で、じっくりと読まないと分からないと書きましたが、しょうこりも無く第2巻も読んでしまいました。こちらは少しは分かりかけてきたかもしれません。第2巻は文字についてです。中国から伝わった漢字を使いさらに仮名を作り出して日本語の表記…