爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

エネルギー文明論「石油の無くなる100年後の世界 (1)石炭や天然ガスは 他のエネルギー源は」

(1)石炭や天然ガスはどうなのか、他のエネルギー源は。 石油は100年先には使えるほど供給されなくなるとしても他の化石燃料はどうなるか、予測は難しいところです。 天然ガスは石油より早く無くなると言う観測もあります。おそらくそうなるでしょう。シェ…

エネルギー文明論「石油のなくなる100年後の世界 (序)石油が無いとはどういうことか」

序)”石油が無い”とはどういうことか オイルピーク説というものがあり、すでに世界の石油供給のピークは過ぎたというものです。それが妥当かどうかは色々と考え方があるでしょうが、世界の石油事情はどんどんと供給を伸ばせる状況ではなくなったということは…

「メンバーチェンジの思想」中村敏雄著

かなり前に読んだ本の再読です。 著者の中村さんは東京教育大学を出た後、高校の体育教諭として教え、その後大学の教授になられたスポーツ学専攻の方ですが、この本以外にも数々のスポーツ関係の著書を出版されています。 この本は「メンバーチェンジ」と言…

「世界でもっとも美しい10の科学実験」ロバート・クリース著

アメリカの大学の哲学科教授のクリースさんが主に物理の実験の歴史の中から芸術的とも言えるものを選んだものです。 科学実験の中にも「美しい」と言えるものがあるというのは、理系でない人には想像しにくいことかもしれませんが、数学にも「美しい」解法が…

「白川静の世界 Ⅱ文学」立命館大学白川静記念東洋文学文化研究所編

白川静の世界その2は文学についてということです。 白川さんの業績は漢字に関するものが一番だと思いますが、その最初の興味の対象は万葉集だったということは良く知られているかと思います。その後、万葉集を理解するうえで非常に似通った内容であった中国…

「日本の食糧が危ない」中村靖彦著

著者の中村さんはNHKで農業関係の解説委員を勤められた後、現在はいくつかの大学で客員教授をされているようです。 2011年5月の出版の本ですので、大震災直後ですがまだ民主党政権だった頃です。その農政にはかなり危惧を持っていたようですが、現在の…

「疑似科学はなぜ科学ではないのか」チャールズ・ウィン、アーサー・ウィギンズ著、シドニー・ハリス画

疑似科学についてアメリカの大学で化学と物理の教授をしている両氏が科学の観点から解説したものです。 したがって、疑似科学の中でも特にアメリカで多いものを対象としています。UFO、心霊現象、占星術、創造説、超能力などが槍玉に上がっています。日本で…

「大河ドラマ入門」小谷野敦著

比較文学の研究者で大阪大学助教授などを経て文筆業として活動されている小谷野さんなんですが、1962年生れで幼い頃からNHKの大河ドラマに取り付かれ、それ以来特に興味の持てなかったものを除いてはほとんどを見尽くしているという大河ドラマファンだそ…

夢の話「今日の悪夢 出張で迷子」

出張先でどこか分からなくなってどっと疲れて、目が覚めた時には疲労感を感じてしまいました。 以前、会社の関東地方の研究所に居た時には、取引先の他の会社の工場、研究所、大学などに出張することもあったのですが、そういったところはたいてい郊外で、し…

「デフレ救国論 本当は怖ろしいアベノミクスの正体」増田悦佐著

経済アナリストの増田さんが2013年2月というアベノミクスなる経済政策が動き出そうとする時に出された本です。デフレ克服というものが合言葉のようになり、あらゆる手段でそれに対抗という風潮になっていますが(その割には大したことはやっていないよ…

安倍首相今日の「笑っていいとも」に出演

あと何回だけと秒読み段階に入った「笑っていいとも」ですが、昨日の放送で翌日の出演者を聞いて驚きました。安倍信三首相が出るそうです。 数々の暴挙を繰り広げている稀代の「勘違い首相」であると私は思っていますが、勘違いもここまで来るとお笑いです。…

「ハイブリッド日本」上垣外憲一著

古代から現在まで、日本列島には様々な人々や文化が流入し、それが混ざり合って現代の日本を作り上げてきました。著者はそのような混血の状況を歴史に沿って上げて行きます。著者の上垣外(かみがいと)さんはドイツ語を専攻したあと韓国語も習得し、さまざ…

読書記録書こうと思ったら

先週いつもの市立図書館で借りた本を読み終えて、さあ読書記録を書こうかと思い一応作者名で検索して情報を探そうかと思ったらなんと自分のブログの読書記録が上位に。 約1年前の書き込みですが、まったく同じ本を読んでしかもその内容が書こうと思っていた…

「危ない精神分析 マインドハッカーたちの詐術」矢幡洋著

PTSD(心的外傷)という言葉は何かの事件事故があると必ず聞かれるようになっていますが、あまりそれが強調されるのも少し変な気分がします。 臨床心理士で自ら心理教育研究所を主宰されている矢幡さんがその当たりの経緯や現状について記しています。PTSD自…

「つくられる古代史」原田実著

原田さんは歴史専門の研究者ではないようですが、在野で研究し著述されているようです。 歴史について、研究者・関係者・そしてマスコミの姿勢について批判的に書かれています。古代の遺跡は今でも発掘が続いていますが、良く知られているように建設工事や土…

「ケネディ 神話と実像」土田宏著

アメリカ政治専攻の城西国際大学の土田教授がケネディー元大統領についてその生い立ちから暗殺までの一生を振り返ったものです。 ちょうど、その遺児のキャロラインさんがアメリカの日本大使として着任し様々な行動言動がマスコミに取り上げられています。ア…

「白川静の世界 Ⅰ文字」立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所編

甲骨文字の研究などで大きな業績を挙げた白川静博士の業績について、白川氏の功績を顕彰しさらに広めるために設立された文字文化研究所の白川博士の門下の方々によりまとめられたものです。 第1巻は「文字」ということで、業績の中でも最大のものと言える漢…

寝台特急「あけぼの」ラストラン

上野から青森行きの寝台特急あけぼのが14日運行をもって廃止されるそうです。 JR九州の「ななつぼし」といった景気の良い話もありますが、在来型の寝台特急は利用者の激減で次々と廃止されていきました。 子供のころに親に連れられて「さくら」や「あさか…

「楽天が巨人に勝つ日 スポーツビジネス下克上」 田崎健太著

スポーツものを中心に執筆をしている田崎さんが2008年にスポーツビジネスについて書いた本です。 つまり、2013年のあの楽天の優勝を見ずに書かれています。まさか5年後に実際に形として「楽天が巨人に勝つ」という結果が出るとは、著者の田崎さんもその…

「インド三国史」陳舜臣著

三国史というと中国後漢末期からの魏呉蜀の並立期を中心に描かれた時代の小説が有名ですが、インドのムガル帝国の最盛期が過ぎたアウラングゼーブ皇帝の時代もそのような情勢であったということで、陳舜臣さんが中国の三国史になぞらえてインド三国史という…

「ヘイトスピーチとは何か」師岡康子著

人権専門の弁護士の師岡さんがヘイトスピーチに関する諸々の状況を解説されたものです。 「ヘイトスピーチ」というと在日朝鮮人学校などに押しかけて大声で悪口を連呼するというイメージですが、あまり報道もされないことから実体がもう一つ実感できない状態…

3年目の3月11日

東日本大震災から今日でちょうど3年ということです。 昨日は総理大臣記者会見も夕方6時から生中継されていました。 しかし、見事に内容のないもので被災者の方はどなたも腹を立てたのではないでしょうか。アベノミクスの発表のときも、オリンピックの招致…

「資本主義はなぜ自壊したのか」中谷巌著

ハーバード大、大阪大、一橋大などで教授を務め、細川内閣、小渕内閣で研究会委員なども勤めた中谷さんですが、当時の改革路線に自ら疑問を感じ見つめなおしたと言うものです。世界的に不況になっているというこの本の出版の2008年ですが、それは今でも変わ…

読書記録での「あらすじ」記載について

このような書評を載せるブログにおいては「あらすじ」を詳述すると言うのはやはり避けるべきということになっているのでしょう。触れる際は「ネタばれ注意」などという注釈を加えることも良くあるようです。私の読書記録ではだいたい一日一冊弱のペースで読…

「はじめてのチェス」渡井美代子著

東公平さんのチェスの本に引き続き、日本チェス協会事務局長で女性チャンピオンにもなられた渡井さんの入門書です。 東さんの本ではかなり詳しい定石の解説もあったのですが、この本はもっと初級のようで基本的な考え方を主に述べておられます。実際に人と対…

「新日本人の起源 神話からDNA科学へ」崎谷満著

分子生物学から研究を始めて長崎大、京大で研究をされたあと、自らCCC研究所(Institute for Cross Culutural Communication)を設立した崎谷さんが最近の科学的な日本人起源研究の成果についてまとめたものです。以前に埴原らの人間の形質をもとにした二重…

「新三河物語 下」宮城谷昌光著

武田氏滅亡のあと甲斐信濃を平定していた大久保平助忠教(ただたか)後の彦左衛門らの大久保一族は本能寺の変で信長が討死したことにより大きな危機を迎えます。 真田昌幸はその強力な敵であり、様々な手段で抵抗され、また上杉、北条の勢力も上手く利用し自…

温暖化被害予測 このまま行けば今世紀末

新聞報道によれば(我が家の購読誌は毎日です)環境省専門委員会が温暖化被害の予測をした云々という発表をしたそうです。これだけ厳しい寒さが続いているのに、というかだからこそかもしれませんが、一見寒いように見える時こそテコ入れが必要といったとこ…

「眠りにつく太陽 地球は寒冷化する」桜井邦朋著

NASA主任研究員から神奈川大学教授、学長などを勤めた桜井さんは太陽物理学が専門ということです。 地球の気候を左右する一番の要因は太陽の活動にあるとは思うのですが、その詳しいことはなかなか分からないようです。しかし、黒点の数の増減というのは1755…

「文明崩壊 下」ジャレド・ダイアモンド著

上巻の過去の様々な社会の崩壊の事例紹介に引き続き、過去としてはニューギニアと江戸時代の日本の森林保護の紹介がされます。 日本では戦国時代までは森林乱伐により特に人口密集地に近い山林は禿山になっていきましたが、江戸時代に入り安定すると幕府や領…