爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「オードリー・ヘプバーン98の真実」清藤秀人著

映画ライターの清藤さんが、今でも人気の衰えないオードリー・ヘプバーンについてあれこれの噂話について記したものです。 全頁写真付で、楽しめます。オードリーは(と書くと漫才コンビみたいですが)映画では圧倒的な人気ですが、プライベートについては本…

「工学部ヒラノ教授」今野浩著

もう20年ほど前になりますが、作家の筒井康隆氏が「文学部唯野教授」という小説を書き、評判になりました。大学教授というものはなかなか一般には計り知れないところがあるようですが、やや誇張されたところはあったとしてもそれをエンターテインメントに…

「アメリカのベジタリアンはなぜ太っているのか」矢部武著

”ベジタリアン”と”痩せている”ということは本来は直接関連するものではないのですが、大体普通に想像できるベジタリアンという人々は痩せているイメージでしょう。しかし、アメリカのベジタリアンは決してそうとは限りません。著者の矢部さんはジャーナリス…

「文科省が英語を壊す」茂木弘道著

著者の茂木さんは学者ではありませんが仕事で外国との折衝が多かったところに入ったのが縁で英語を良く使うようになりその後英語学習についての評論や翻訳もこなすようになったという方です。この本は2001年出版ですのでゆとり教育最盛の時代ですが、そ…

「分数ができない大学生」岡部恒冶、戸瀬信之、西村和雄編

ちょっと古い本ですが、1999年出版のもので、当時最盛のゆとり教育批判かと思いましたが主眼は大学入試で数学を外す風潮が強まるために、文字通り「分数ができない(有名)大学生」が増加していることについての警鐘です。編者はいずれも当時各大学の経…

「ちぐはぐな身体」鷲田清一著

文庫本で、副題に「ファッションって何?」と軽めの文もあったので、気楽に読める本かと思いましたが、相当堅い内容でした。 著者は哲学者で大阪大学の総長も勤められた方です。この本の初版は1995年出版ですので、当時は大阪大学教授でしたが総長退任後…

夢の話「旅行中に預けた荷物が紛失」

旅行中に手荷物預けをした荷物が無くなってしまったという悪夢ですね。だいたい見る夢のほとんどは悪夢のようです。このところ支離滅裂で断片的な夢ばかりだったのですが、今朝は結構まとまったものでした。手荷物預けといっても、夢の中に出てきたのは列車…

原発推進派の言う「現実的」とは目の前のことだけ

原子力発電に対する政策が東京都知事選でも大きな争点になっていますが、原発再稼動推進派が廃止派を攻撃する際に必ず口にするのは「原発即時廃止というのは現実を認識していない」ということです。 それはつまり、原発廃止をしようとすると電力供給に困難が…

「やんごとなき姫君たちの饗宴」桐生操著

フランス文学、歴史を学び著述をされている桐生さんがヨーロッパの特に上流階級の饗宴についてさまざまなことを紹介されているものですが、多方面にわたり細部まで解説されており、大変な博学と思います。アンリ2世の王妃となったカトリーヌドメディチは当…

「知らなかった!日本語の歴史」浅川哲也著

日本語学、日本語史学が専門の首都大学東京の浅川さんが日本語の歴史について分かりやすく解説されたものです。平安時代には母(はは)は”ファファ”と読んだということは聞いたことがあったのですが、そのような事例をいくつも挙げておられます。日本語の歴…

「江戸300藩県別うんちく話」八幡和郎著

八幡さんは通産省の役人だった方ですが、歴史などにはかなり造詣が深く、退官後に評論・文筆活動を始められました。この本も江戸時代の各藩の状況について細かく調べられたものをまとめたものですが、全国各地の個別の藩についてよく調べられたものと感心し…

「アフリカで誕生した人類が日本人になるまで」溝口優司著

国立科学博物館の部長の溝口さんの本です。ほぼ同時に”DNAから見た見た日本人”という本も読みましたが、こちらは遺伝学者の斎藤さんの著書でした。溝口さんは伝統的な形態などの解析から見るのが専門のようです。 もちろん結論としては差がありませんが、ど…

浜松市小学校ノロウイルス集団感染

浜松でいくつもの小学校でノロウイルス集団感染が起こり、1000人近い患者が出ましたが、その原因は給食のパンだったようです。 発生状況の特異性から間違いなく給食が原因と見られていましたが、各校での調理ということから何らかの共通食材だとは思いま…

「DNAから見た日本人」斎藤成也著

国立遺伝学研究所教授の斎藤さんが遺伝子から見た日本人というもののあれこれを解説されているものです。日本人の由来というものは昔から様々な方法で研究され推定されてきましたが、最近のDNA情報をもとにした遺伝子解析により相当変わってきたようです。 …

公共交通とは 熊本市の実験から

地方都市の交通体制の問題はどこでも大きなものになっているでしょうが、熊本市も自動車利用の比率が高まる一方だそうです。 それを何とかしようと、郊外の巨大モールから急行バスを中心部まで走らせるという社会実験がスタートしたというニュースがありまし…

夢の話「工場の草刈」

今朝の夢は悪夢の一種でした。 以前勤めていた工場は田舎だったので敷地がだだっ広く、おまけに九州で高温なので雑草の伸び方もすごい勢いで毎年春から秋まで除草に悩まされました。 景気の良いときは外注もできましたが、たいていは自分たちで何とか時間を…

「間違いだらけの山登り」岩崎元郎著

登山家で中高年登山についても様々な活動をしている岩崎さんが主に中高年向けに登山の安全について解説されているものです。2004年を取ってみると、遭難者のうちもっとも多いのは60-64歳で、40歳以上を取ってみると遭難者の8割以上を占めるそうです。 これは…

「メディア・バイアス」松永和紀著

科学ライターでネット上でFOOCOM.NETという食品関係のサイトの編集長もされている松永さんが主に食品関係でいかにおかしな報道がメディアによってされているかということを論じたものです。松永さんは毎日新聞記者でしたがそこを退職後主に食品関係で科学的…

「KKニッポン就職事情」佐高信著

辛辣な政財界批判で知られる佐高さんが企業就職にまつわる様々な事情を比較的淡々と紹介したものですが、発行されたのは1990年でバブル真っ盛り、元々は新聞に連載された記事ですが、それが書かれたのは85年以前のようですので、バブル以前の昔の企業社会そ…

「仇討を考証する」稲垣史生著

歴史考証家として名高かった稲垣史生さんが仇討について考証したものです。 仇討は親などを殺された被害者遺族が、加害者を討つというもので、全国的な法体系が整備されていなかった江戸時代までは行われていました。特に江戸時代に多かったのは、幕藩体制が…

「桂東雑記拾遺」白川静著

漢字学者として著名な白川静さんの随想集が桂東雑記で、5巻が発行されていますが、それに載せられなかった短文をまとめたものがこの拾遺です。 いろいろなところに発表されたものですが、古いものは1950年代から、新しいものは2000年以降の逝去寸前のものま…

「男の更年期」柏瀬宏隆、岩本晃明著

男性にも更年期障害があるということは、遅ればせながら段々と浸透してきたようですが、それについて精神科の柏瀬さんと泌尿器科の岩本さんが解説をされたものです。男性更年期障害は性ホルモンのテストステロンの分泌量の低下によるものですが、著者の専門…

「日本の”伝統”家族 時代とともに変わる形態」山田昌弘著

ちょっと異例ですが、今朝の新聞に載っていた中央大学の山田教授の記事です。何が日本の伝統なのか、よく調べてみると一般に考えられているようなものはごく近い過去からのものでしかないことが分かります。たとえば、一夫一婦制の結婚制度などというものは…

「空港の大問題がよくわかる」上村敏之、平井小百合著

財政学が専門で関西学院大学教授の上村さんと大和総研の公共事業コンサルタントの平井さんが空港にまつわる諸問題を詳しく解説したものです。 赤字空港といってよく問題視されますが、実はどの程度の赤字かということははっきりとは分かりません。国管理空港…

「なんでこれが交通違反なの!?」今井亮一著

交通ジャーナリストで、特に交通違反の取り締まりに関して長年に亘り取材を続けている今井さんが交通違反に関するいろいろな疑問について解説されているものです。とはいってもよく言われているような取締り方法が不当なので争えば勝てるというような内容で…

「科学のニュースが面白いほどわかる本」瀧澤美奈子著

科学ジャーナリストという瀧澤さんが小中学生を対象に書かれた本です。お決まりの女の子と先生が対話しながらという構成ですが、内容はかなり難しいのではないでしょうか。とても子供にすんなり理解できる内容ではないと思いますが。いろいろな科学の関わる…

「白い仮説黒い仮説」竹内薫著

サイエンスライターの竹内さんが、科学の仮説に関していろいろと記した物です。 竹内さんという方が科学関係のものを書いているということは知っていましたが、東大物理を出た後アメリカの大学に留学し博士号をとって帰ってくるまでは研究者の道を歩くはずが…

正月恒例箱根駅伝

駅伝シーズンのクライマックスとも言える箱根駅伝が開催され、往路は東洋大が1位でした。人生これまであちこちに住みましたが、そのうち半分近くが箱根駅伝のルートの間近で、沿線の風景もあちこちに見覚えがあるため、中継も飽きずに見られました。それに…

「活断層とは何か」池田安隆、島崎邦彦、山崎晴雄著

1995年の阪神・淡路の大地震では多数の死者が出ましたが、その当時は阪神地方で地震が起こるとは思っていなかったという声が多かったようです。この本の著者は活断層研究会という研究者グループの方たちですが、それ以前から研究者には自明であった活断層の…

「香乱記 下」宮城谷昌光著

秦漢戦争の頃の斉の王、田横の話も最終巻です。 項羽と劉邦の争いをよそに、斉の国をまとめてきた田横ですが、項羽を最終的に打ち破った劉邦が最後に斉を破ろうと軍を向けます。 抗戦することは国民に大きな負担を強いることとなるとして、酈食其の説得に応…