爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「マキアヴェッリ語録」塩野七生著

マキアヴェッリといえば君主論という名前だけは知っていますが、読んだことはありませんでした。 君主論以外にも数々の著作があるようで、それらの中から著者が選んだ言葉をまとめたと言うものです。 中から一つ、”ここでは、民衆(ポポロ)に関して次の二つ…

「遺伝子組換え食品ーあなたはどう思いますかー」吉松嘉代著

国立医薬品食品衛生研究所主任研究官(当時)の吉松さんが遺伝子組換えについて解説した、日本薬学会編の本です。 専門の研究者の解説書ですので、非常に正確な情報が記されています。 怪しげなプロパガンダ本が多い分野ですが、このような本で修正すること…

エネルギー文明論「組み立ての経緯」

以前のことを考えると、現代のエネルギー文明の呪縛には当然自分自身も強く縛られており、見直すことができたのはいろいろの経緯があってのことでした。 もう10年近く前になりますが、インターネットを使えるような環境になりあれこれと調べているうちに、い…

「スローフードな日本」島村菜津著

日本にスローフードを初めて紹介したといわれる島村さんの著書です。 スローフード運動自体は伝統的な食材、料理を守っていくという趣旨だと思いますが、この本で見る限りでは有機農業や環境保全などへの思い入れが強く、食糧をめぐる環境全体への働きかけが…

「人はなぜ逃げおくれるのか、災害の心理学」広瀬弘忠著

著者は災害心理学が専門の東京女子大教授ということで、災害時の心理についての分析を解説しています。 2004年の出版ですので、当然東日本大震災は触れていませんが、数々の災害における人間の行動が扱われています。細かい点は触れませんが、一つ面白い…

エネルギー文明論「人類文明はエネルギー次第」

原発の事故でエネルギー供給の注目度が一気に高まってきたようで、この機会に良く考えて頂ければありがたいのですが、そうはいかないようです。 食物として取り入れる以上のエネルギーを使用するのは生物の中では人間だけでしょう。 これは文明が始まるはる…

「”学力低下”をどうみるか」尾木直樹著

最近テレビでも大活躍の教育評論家尾木直樹さんが2002年に著した学力低下についての本です。 ゆとり教育については現在は終焉しているということですが、2002年当時は学力低下を理由に攻撃されていた頃です。 そこで、その批判がいかに的外れで恣意…

「”法令遵守”が日本を滅ぼす」郷原信朗著

検事を経て現在は桐蔭横浜大学の郷原教授がコンプライアンスについて書かれた本です。 国広さんの本と同様の内容を扱っていますが、立場の違いからか少し趣の違ったものになっています。こちらで扱われたものは企業不祥事というよりは法令違反の微妙な事例、…

「原発事故はなぜくりかえすのか」高木仁三郎著

2000年に亡くなった原発廃止論の大きな支柱であった高木さんが死の寸前に書かれた遺書のような本です。 原発が産業化する始めから関わり、途中からその内容に疑問を持ち反原発の立場に立った著者が原発に関わる政治・産業の性格を実に正確に分析しています。…

「それでも企業不祥事が起こる理由」國廣正著

企業危機管理が専門の弁護士國廣さんの著書です。 豊富な実例から企業が「不祥事」を起こさず、また万一起こした場合でもできるだけ傷を少なくするための基本姿勢が分かるように説明されています。 コンプライアンスは「法令遵守」だけにとどまるものではな…

メタンハイドレート

久し振りに読書記録以外の記事を。メタンハイドレートの試掘をしたと言うニュースが頻繁に流れてきます。予定より早く終わったようですが。 これを流すのに、「明るいニュースです」などと言っているアナウンサーも居ますが、本当にそうでしょうか。 海底数…

「毒と薬の世界史」船山信次著

日本薬科大学教授の船山さんの本です。毒も薬も歴史上古くから使われ、また一所懸命に探されてきたものですが、その種類は多岐に亘り大変なものですが、それを中公新書にまとめた実力はさすがです。現代の化学物質について言えば、薬の開発はもはや構造と薬…

「こんなにも微妙な日本語」日本語表現能力研究会編

日本語は現在も大きく変わりつつあり、江戸時代と言わず明治時代の言葉も今から見るとかなり異質なものですが、それらの少し忘れ去られた言葉を列挙した本です。 私も知らなかったと言うような言葉がいくつも上がっていました。たとえば、”おいそれ者”(よく…

「危ない健康食品から身を守る本」植田武智著

退職して暇なものだから昼間からテレビを良く見ていますが、そのスポンサーでもっとも良く目に付くのは健康食品会社です。 それもだいたい「いわゆる」付きのもので、CMもお客様個人の感想ですと言う言い訳ばかりが目立つものです。著者は科学ジャーナリスト…

「テレビの嘘を見破る」今野勉著

TBSで数々のドキュメンタリーを作成し、テレビマンユニオンを創立して番組制作を続けている今野勉さんの著書です。 主にドキュメンタリーと言われている番組で、「やらせ」が問題となったことについて、その背景などを詳しく解説しています。ドキュメンタリ…

「皇子たちの南北朝」森茂暁著

久々に図書館の本ではなく蔵書の読み返しです。88年の本で、当時京都産業大学助教授という方ですが、今の所属肩書きは存じません。 日本の南北朝時代とは、戦国時代以上に乱世であったはずですが、ほとんど知られておらず、特に戦後は戦前の楠木正成信仰の反…

「古代中国と倭族」鳥越憲三郎著

倭人というと魏志倭人伝などの中国歴史書の記述により日本などに住んでいたと考えられるのが一般的ですが、古代中国の別の書物にはそれ以外に中国南部に住んでいた種族を倭人と呼んでいるものがあります。 これが偶然や間違いではなく、同じものであると考え…

「塩野七生”ローマ人の物語”スペシャルガイドブック」新潮社出版企画部編

ローマ人の物語全巻を読破しましたが、そのガイドブックがあったのに気づき、今になって読んで見ました。 登場したローマの各地の風景や、塩野さんとの対談などを収めてあります。最初に読んでおけば良かったかもしれませんが、逆に興ざめになったかも知れま…

「冷蔵庫で食品を腐らす日本人」魚柄仁之助著

食文化研究者の魚柄さんの現代の食をめぐる状況についての提言です。 魚柄さんは非常にワイルドな体験を通じて自然な食文化についての確固とした意見を持っておられるようで、奇形化した現在の食を批判しています。どこの家庭でも今は大きな冷蔵庫を備えてい…

「間違いやすい言葉の事典」山崎幸雄監修

かなり前の本ですので、現在は所属肩書も違うでしょうが、当時新潟大学の山崎助教授の監修による小学館実用ハンドブックです。 読み間違い、書き間違い、意味の間違い、語形文法の間違いについて例を挙げています。 一般的なものが多く、ほとんど既知のもの…

「使ってはいけない英語」ディビッド・セイン&長尾和夫著

英会話教育実績のある著者が、日本人が英語ネイティブの人と話す場合に起こしやすい間違いの例を挙げたものです。 カタカナ英語や学校の英作文感覚の英語がネイティブから見ると非常に珍妙という話はよく分かりますが、それ以上に字面は合っていてもニュアン…

「資源インフレ」柴田明夫著

丸紅経済研究所長の柴田さんの2006年の著書です。 石油の値上がりは目立ちますが、それ以外の鉄鋼、金属、食糧まで、資源という資源はインフレの状況にあります。 大きな要因は中国の発展で、それも資源浪費型の成長なのでさらに影響が大きくなるようで…

「電力と国家」佐高信著

電力の供給と言う問題がまた大きな論点となっている現在、電気事業の最初、戦後の混乱期のたて直し、というこれまでの大きな転換点を民間事業として成り立つように奮闘した、松永安左エ門を中心に経済史に詳しい佐高さんが活き活きと記したものです。私利私…

「コロニアリズムと文化財」荒井信一著

茨城大学名誉教授の国際関係史学者、荒井信一さんの著書です。つい最近、日本の対馬の寺から仏像が盗まれ、韓国で犯人が逮捕されて仏像も見つかったと言う事件がありました。しかし、その仏像をすぐに日本に返還させないと韓国当局が決定したとのことです。…

「三国志の風景」小松健一著

カメラマンの小松健一さんが三国志の舞台を訪れ、撮った写真です。 舞台とはいえ、三国当時と現在とは大きく変わっているはずですが、それでも時代を越えて感じさせるものはあります。中国の取材旅行を始めたのは1991年ということで、この本を出版する1…

「大崩壊”邪馬台国畿内説”」安本美典著

邪馬台国九州説の論者の安本氏の近刊です。 つい最近も奈良県の箸墓古墳に初めて研究者の立ち入りを許したという意味不明のニュースが大きく報じられました。それも発掘などではなくただ入って歩くだけというものです。NHKなどでも「卑弥呼の墓かとも言われ…