爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「孟嘗君と戦国時代」宮城谷昌光著

宮城谷昌光さんは言わずと知れた中国古代から日本の戦国時代まで歴史小説を数多く書かれている作家ですが、これは小説ではなく歴史的な事実をまとめて記されているものです。 この時代を扱ったものでは、”孟嘗君”だけでなく”楽毅”などもあり、それぞれ別の立…

「戦国時代の大誤解」鈴木真哉著

PHP新書、在野の研究者鈴木真哉さんの著書です。 歴史物の人気では幕末と並んで戦国時代は大きなものですが、江戸時代にその実像が大きく曲げられてしまい、似ても似つかぬものになってしまったようです。本書の中にも触れられていますが、名和弓雄さんとい…

「安心のファシズム」斎藤貴男著

岩波新書のフリージャーナリスト斎藤さんの著書です。 少し前の話なのでエピソードもやや記憶が薄れてしまいましたが、イラクでの人質事件も当時は大騒ぎだったことを思い出しました。 また、携帯や自動改札機に徐々に慣らされていってしまうという点も、監…

「エネルギー経済とエコロジー」室田武著

同志社大学教授の室田さんの著書です。著者は大学では物理学を専攻し、その後経済学を修められたとのことで、エネルギーに関しても非常に的確な指摘をされていると感じます。 槌田敦さんの影響も受けているようで、原子力発電はそのあらゆる段階に石油エネル…

「百年前の日本語」今野真二著

岩波新書に収められた清泉女子大教授の今野さんの著書です。 明治時代はじめの頃の、新聞や書籍発行が爆発的に増えてきた当時の、特に文書記載の際の状況を細かく考察されています。その頃は新聞などでも振り仮名が振ってあったということ自体は以前から聞い…

「九州古代王朝の謎」荒金卓也著

福岡在住の元中学教師の荒金さんの著書です。 九州王朝説を説いた古田武彦さんの影響を受け、新たに著者独自の発見をいくつか加えて7世紀以前には九州の倭国が日本における王朝であったことを主張するものです。 古田さんの著書を読んでいても思うことですが…

「すべての経済はバブルに通じる」小幡績著

著者の小幡さんは東大経済学部を卒業後大蔵省に入省、その後退職して投資家としても活動する経済学者です。 「投資」というものを軸に現在の資本主義を考えるという姿勢ということで間違いないのでしょうか。現代は投資顧問会社という、他人の金を運用するフ…

「人名の世界地図」21世紀研究会編

人の名前に関する本では、日本の姓氏やヨーロッパの個人名の本は読んだことがありましたが、この本は一人の著作ではなくグループの共著ということで世界の姓氏および個人名についての幅広い紹介になっています。東アジアとヨーロッパの知識だけで考えている…

「Jポップとは何か」鳥賀陽弘道著

1960年代から自分の好みで音楽を聴き始めた自分にとって、音楽界の趨勢というものが何かもやもやしたものを感じ続けていましたが、この本で相当すっきりとした観があります。Jポップという言葉ができたのは1988年のことだそうです。当時はバブル全盛で、ちょ…

「天ぷらにソースをかける日本人」斎藤隆著

㈱ライフスケープマーケティング会長の斎藤隆さんの本です。 「食MAP」という手法を開発し、選んだ世帯の詳細な献立、食材等のデータを毎日入力してもらうことで、単なる食品売り上げデータやアンケートなどによるバイアスのかかった調査ではなく実態に近い…

「労働ダンピング」中野麻美著

労働関係の弁護士をされている中野麻美さんの著書です。 全く法外な安賃金で働いている非正規就業者の問題は極めて大きいものですが、正社員であっても長時間労働で身体を壊す人は後を絶たないという状況も蔓延しています。 著者は様々な実例に弁護士として…

「エネルギーの未来」Eスピーゲル、Nマッカーサー著

世界有数のコンサルタント会社というブーズアンドカンパニーのメンバーによる世界のエネルギー状況と未来予測です。 したがって、現状での指導者側の認識とほぼ同一のものと考えられます。そのためか、これはどうかという部分も多々あるようです。オイルピー…