爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「福岡のトリセツ 地図で読み解く初耳秘話」昭文社企画編集室編

地図出版で有名な昭文社が、福岡県の様々な点について地図表示を交えながら分かり易く紹介しています。

内容は、地形地質、交通網、歴史、文化産業となっていますが、歴史の部分の比重が高いようです。

あまり若者向けの情報は入っていないようです。

 

私も小学生の頃3年間、父の転勤の都合で福岡市で過ごしたことがあり、各地に懐かしいところがあります。

 

歴史的に見れば、邪馬台国がどこにあったかという論争はあるにしても弥生時代に大陸から多くの人々が渡ってきて最初に上陸したのは福岡であるのは間違いないはずで、その重要性は否定できないはずです。

そんなわけで、多くの有名な遺跡があるのですが、その名前だけは知っていても実際どの辺にあるのかということは、地図上に表記されていないと分かりません。

弥生時代初期の重要遺跡である板付遺跡も、その名から空港の近くだろうとは思っていましたが、なんと昔住んでいた家のすぐそばではないですか。

奴国の王の墓があったと言われる須玖遺跡もご近所。

 

「令和」の名の典拠となった万葉集大伴旅人の歌ですが、旅人が大宰帥として大宰府に赴任していた当時に梅花の宴を開いた時のことです。

その旅人の館がどこであったかということは確定されていないそうですが、いずれにせよ大宰府政庁の付近でしょうから、今では西鉄の都府楼前からすぐのところでしょう。

かつて、小学校の遠足でその付近に行ったような覚えが。

 

最後には銘菓ひよこの誕生秘話も載っています。

東京に来た時にひよこが東京土産で売られていたあの違和感というものは、福岡の人ならだれでも持つものでしょう。

ひよ子本舗吉野堂は飯塚での創業が明治30年、二代目主人の石坂茂氏が思いついたそうです。

飯塚では千鳥饅頭で有名な千鳥屋も生まれており、炭鉱で栄えた当時の繁栄がしのばれます。

 

今では同じ九州でも熊本という少し肌合いの変わった場所に住んでいますが、子供ながら感じた福岡の文化は懐かしいものです。

 

福岡のトリセツ

福岡のトリセツ

  • 発売日: 2020/01/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)