爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「内田樹の研究室」より「パンデミックをめぐるインタビュー」

内田樹さんの「研究室」で、パンデミックに関するインタビューを受けたという内容が掲載されていました。

プレジデントオンラインからのもので、プレジデント自体にはあまりいい印象を持っていませんが、このインタビューに関しては非常にまともな聞き方と反応をしていると思います。

blog.tatsuru.com

インタビュー最初は、現在でも大きな問題となっている「自粛警察」についてです。

「自粛警察」とは、単なる「自粛要請」であるにも関わらずこれに従っていない人々を厳しく糾弾する人たちのことですが、誹謗中傷にとどまらず脅迫や暴力行為などに至る場合もあるようです。

 

何らかの大義名分が与えられるとそれで他を攻撃しても良いように思う人間がいるということです。

これは今に限らずいつでもどこでも見ることができるようですが、特に非常時には横行するのでしょう。

戦争時にはすごかったというのは話には聞いていますが、それを今見る思いです。

 

ただし、そのあとの関連質問と内田さんの答えも含め、「日本社会に特有」としていますが、これはどうだか分かりません。

人類普遍的にあることのようにも思いますが。

アメリカのようなバラバラ社会は知りませんが。

 

そのあとの「日本の医療資源の余裕(スラック)の少なさ」については、数値もあげ分かり易く解説されています。

トヨタ方式でしょうか、「ジャストインタイム生産方式」の効率向上を称賛し追随するばかりでは、このコロナ禍のような事態には適応できないということです。

保健所数が半減、感染病床数が5分の1に激減させられていたということです。

医療費削減だけが課題であったかのような昨今ですから、ほとんど使うこともなかった感染病棟などは削減が当然だったのでしょう。

内田さんの「しばらくは備蓄を考えるだろうがすぐに忘れる」という意味の答えも言い当てていると言えるでしょう。

ただし、「今の政権であるかぎり」というのは楽観しすぎです。

「たとえ野党が政権をとっても同様」でしょう。

 

グローバル資本主義が今後どうなるのか。

コロナ禍対策でしばらくはグローバル資本主義は停滞せざるを得ないのは間違いないでしょう。

しかしほとぼりが冷めた後回復するかどうか、それとも方向転換が起きるのかどうか。

たしかに、国内に限っても一極集中の危険性が大きいことは明らかになりました。

(別にコロナ禍だけでなくても分かりそうなものですが。地震の時にも十分気付けたはずです)

経済効果だけの要因で集中していたのが分散に向かうのかどうか。

それにはまだまだ災禍が足りないのではと思いますが。

 

ただし、内田さんの言っている「小国寡民」の有利さというのは考えるべきでしょう。

もはや経済成長を求めることはできない。

それには人口は減っていく方が良いのでしょう。