爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

短期集中連載:人類とエネルギー、そのまとめ (1)エネルギーの本質、(2)人類がエネルギーを使うということ

外出自粛で暇なので「人類とエネルギー」について今の時点での自分の考えというものをまとめてみました。

それだけではつまらないので、一応ブログに掲載してみますが、分かり易い解説というわけではないので、その点はご容赦ください。

 

目次

人類とエネルギーとの関わり

 (1)エネルギーの本質

 (2)人類がエネルギーを使うということ

 (3)人類のエネルギーの使い方

 (4)エネルギーを評価する方法、EPREPT

   (4-1)EPRの根本的問題点

   (4-2)EPRの実施上問題点

 (5)エネルギーをめぐる問題

   (5-1)化石燃料の枯渇

   (5-2)二酸化炭素

 (6)結局、エネルギーに依存した現代文明は変わらなければならない

 

 

どんな生物でも生きていくにはエネルギーを使っているのですが、通常はそれを意識しているものは居ません。

しかし人類はその段階を離れて日常にふんだんにエネルギーを使うようになってしまいました。

ところが、意外にその中身については知らないようです。

私自身も不確かなところがあちこちにありますので、再確認のつもりでまとめておきます。

 

(1)エネルギーの本質

 エネルギーの必要性が高まりその供給が不安視されるとともに、化石燃料エネルギーとか自然エネルギー、はては水素エネルギーとやら、本当にエネルギーと言えるのかどうかも分からないようなものまで論じられています。

 

エネルギーは「エネルギー保存の法則」と言われるように、いきなり生まれたり無くなったりするものではなく、形を変えてつながり続けるものです。

 

例えば、高いところにあった物体が落下を始めると、それまで持っていた「位置エネルギー」を失う代わりに「運動エネルギー」を得ることになります。

 

これと同様に、太陽からやってきた太陽エネルギーは地上の水を温めることで水蒸気と化しそれが上空に上昇してやがて雨になって降下、高いところに溜まって位置エネルギーを獲得し、それが川を下って途中のダムに溜まりそこから落下する運動エネルギーが水力発電所で電気エネルギーに変わるという経路をたどっても、そのエネルギーとしては保存されています。

 

それでは、今の地球にあるエネルギーとは何なのか。

 

その元となるものは、太陽エネルギー、地球内部に蓄えられた地球誕生時の熱エネルギー、やはり地球内部にある核エネルギー、そして地球や太陽、月の存在物質による重力エネルギーです。

 

これらは、いずれも「永遠にある」ものではありません。

太陽エネルギーは太陽にある水素が核融合をすることで発生している熱エネルギーですが、いずれはその資源が枯渇し終わることになります。

地球内部の誕生時の熱エネルギーは徐々に放散しながら冷えていきやがては無くなります。

核エネルギーも核分裂反応がすべて終了すれば無くなります。

重力エネルギーは星がある限りは続きますが形が無くなれば総量としては同じでも事実上は無くなると言えるでしょう。

 

現在、人類が使用することができるとされているエネルギーはいずれもこれらが形を変えてできているものです。

 

化石燃料エネルギーは、かつての生物が光合成をして太陽エネルギーを有機化合物に変え、その生成物が貯蔵されてできたものです。

石油や天然ガスは単細胞の藻類が作り出し地中に埋もれて地層中に集積したものです。

石炭は植物が地中に埋もれて炭素のみが残りました。

それを掘り出して様々に利用しているのが現代のエネルギー依存文明社会です。

 

水力を発電や水車に使うのは、水の位置エネルギーを運動エネルギーに変換するというもので、太陽熱による水の蒸発から生まれています。

太陽熱がなければこれらの水の移動もないわけですから、太陽エネルギーの形を変えたものだということは分かるでしょう。

風力を発電や風車に使うというのも、水力同様ですが、こちらは太陽熱で温められた空気の移動を用いるということになります。

 

太陽光発電は太陽エネルギーを熱に変えずに直接電力に変換するということですが、やはり起源は太陽からの放射エネルギーです。

 

(2)人類がエネルギーを使うということ

 生物がエネルギーを使うというと、元来は生命活動で食物などを摂取しそれをエネルギーとして使って活動し、子孫を残すということでした。

しかし、現在の人類はそれだけではなく多くの活動にエネルギーを使っています。

自分の生活を考えれば分かるように、物を食べるという動物とも共通の活動はごく一部で、家に住む、電気製品を使って快適に暮らす、自動車や電車を使って移動し仕事をする、物を運びそれをあちこちで販売するなど、エネルギー使用機会に囲まれて生活しているようなものです。

しかし、どうやらまとめて考えてみると、熱源として利用しているものと、運動エネルギーに変えて利用しているものが多いようです。

 

世界の多くの地域では人間が何も熱を使わずに暮らすには少し気温が低すぎるようです。

そのため、最低限生きていくだけでも何らかの熱源で暖房をしなければなりません。

また、人類は「火を使って調理する」方法を取ることで摂取可能な食品の範囲を広くすることができ、それが人類繁栄にもつながったのですが、逆に「火が無ければ食べられない」ことにもなり、現在ではほとんどの食品は加熱操作が必要となりました。

これらの熱エネルギーとしては、有機物を燃やすというのが一番手っ取り早いのですが、電力を使用するヒーターやIHなどという方法も最近は取られるようになってきました。

 

運動エネルギーの利用はごく最近使われるようになったものです。

広く考えればかつての家畜を用いることもこの一種ですが、最近の利用は格段に広がりました。

蒸気機関の利用による鉄道がその端緒でしょうが、それ以来様々な移動機関の開発で人類の移動というものが非常に増加してしまいました。

なお、人や物の移動というものだけでなく、機械を使った操作ということも増加し、これなしではロボットの発達というものも無かったことになります。

 

(つづく)