ストロボ付きのカメラが発売されたのが1975年、そしてピント合わせまで自動化されたカメラが1977年に発売され、誰でもピントと露出が合った写真が撮れるようになり、「バカチョンカメラ」とまで言われるようになりました。
しかし、それが合ったとしてもどうも写真の出来が良くないというのは誰もが感じていたことのようです。
その10年後、「誰でもきれいな写真が撮れる秘訣」を教えてあげようと出版されたのが本書です。
カメラメーカーに勤務され、写真家としても活動していたという著者が、素人でもきれいな写真が撮れるというコツを伝授してくれます。
(なお、”女性のための”という題は今ではちょっと問題かもしれません)
デジタル化が進み、カメラの高性能化も行きつくところまで来たかのように感じされる今日ですが、カメラの基本テクニックを今一度見直してみるのも、よりよい写真を撮影するには無駄ではないかもしれません。
(なんちゃって、この本もたまたまいつもの市立図書館で廃棄候補の本の無料配布があったので、貰ってきただけの話です)
いくらカメラが全自動となり高機能化が進んでも、「構図の選択」は自分でしなければならないでしょう。(今のところは)
そのコツを様々な状況について伝授されています。
たとえば、子供やペットを撮る時にはカメラの位置を低くすること。
子供やペットは高い位置から見下ろすと警戒感が抜けないために自然な動きができないとか。
逆に、野鳥を撮影するにはできるだけ高い位置から見下ろすポイントを選べばよいそうです。
空を見上げて鳥を撮ると明るい青が背景になるために鳥の色がはっきりしないそうです。
光には方角があるということを忘れないこと。
光によって生じる影は写真を立体的に見せるのに重要です。
そのため、室外であってもストロボを効果的に使う場合もあります。
構図を考えない写真はカンバスを無視して絵を描くのと一緒だそうです。
シンメトリーでまとめる場合が風景写真ではよくありますが、パターン化しやすい構図であるために遠近感が適当に描写されて良い反面、単調になることもあります。
人物写真でも対称形にすると単調になりますが、清楚で清潔感のあるポートレートとなる場合もあるので、用途により変えることが必要です。
古い本ですが、結構参考になることが書いてありました。