爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「ブルートレイン大図鑑 客車寝台特急の57年」”旅と鉄道”編集部編

1956年11月のダイヤ改正で、寝台特急「あさかぜ」が誕生、東京と博多の間を結ぶ新たな列車が登場しました。

そのときは、寄せ集めの車両をつないだものでしたが、ちょうど経済も成長し旅客の増加で人気が集中しました。

 

そして、2年後の1958年に、新たな車両として「20系」というシリーズが作られ、寝台特急列車に使われました。

これが、固定編成で鮮やかな青色の塗装でデビューした「ブルートレイン」でした。

「動くホテル」とも呼ばれた豪華な設備で人気を博し、たちまち他の特急にも使われるようになり、はやぶさ、さくら、といった寝台特急も「ブルトレ化」、そして他の路線にも広がっていきます。

1964年には東海道新幹線が開業、さらに日本全国の旅行者増は進み、各地のブルトレも増え続けます。

1975年がブルートレインのピークで、全国で28往復の列車が運行されました。

これとは別に、583系の電車を使った電車寝台特急も運行されており、夜行寝台の全盛でした。

20系客車もさすがに設備の老朽化も進んだため、新たに14系が1971年に、さらに24系が1974年に登場し、20系は地方の急行列車などに転用されていきます。

 

しかし、全国に広がっていく新幹線網、そして航空網の発達により、ブルートレインも徐々に客離れがすすみ、旅客減少、そして列車も徐々に減っていきます。

2009年には東京発着のブルートレインの中でも最後に残っていた「はやぶさ」「富士」が廃止となりました。

全国的にも2014年には「あけぼの」が廃止、さらにブルートレインの客車を使っていた青森札幌間の急行「はまなす」も2016年に廃止され、ブルートレインは姿を消しました。

 

本書ではかつての名列車の写真、20系、14系、24系の車両、さらに、幹線の特急から引退した車両を使った地方線の急行などの写真も掲載され、最終章には牽引した機関車の勇姿もまとめてあるという、ブルトレファンにとってはその最初から最後までの歴史をたどることができるものとなっています。

 

旅鉄BOOKS 018 ブルートレイン大図鑑

旅鉄BOOKS 018 ブルートレイン大図鑑

 

 私自身、父の転勤と自分自身の就職、転勤などで九州に住むことが多かったため、ブルートレインにも子供の頃から最後の年代までよく乗ったほうでしょう。

乗った時期は、1962年から1965年までの福岡在住時、1986年から1997年までの関東在住で妻の実家の熊本に帰省時がもっとも多かった頃です。

そのため、乗った列車は「はやぶさ」が一番多かったと思います。

そして、それ以外の出張などで利用した「あけぼの」や「富士」も印象深いものでした。

子供の頃に家族で乗った3段寝台の怖さも、覚えています。

飛行機の旅も好きですが、もう乗れなくなったブルトレにまつわる多くの思い出も強く残っています。