爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「田中宇さんの国際ニュース解説」より、「人類の暗い未来への諸対策」

人類の未来が暗いということは、ほとんどの人が薄々とは感じているでしょうが、田中宇さんの「国際ニュース解説」に説かれていることは、薄々どころではなく、すぐにでも現実化しそうな事態についてのことです。

tanakanews.comなお、この記事は「国際ニュース解説」の中でも無料公開のものなので、誰でも全文が読めます。

 

現在の世界経済がアメリカなどの金融資本が各国で景気対策として溢れるほどに供給されているマネーを用いての、金融バブルと化しているということはもはや隠れもない事実です。

そして、そのバブルがやがて崩壊するだろうということも、まず間違いのないことでしょう。

 

田中さんも記事冒頭に、次のように書いています。

バブル崩壊はすでに9月から米銀行界のレポ市場(短期融資市場)の凍結のかたちで表れており、今後崩壊感が払拭される可能性は低く、いずれ崩壊が債券市場へと拡大し、本格的な金融危機になっていく可能性が高い。 

この崩壊によって生まれる世界不況は、場合によっては20年以上も続く可能性があります。

 

このようになっても、金融資産を持っている富裕層は直接は被害を受けないでしょうが、貧困層の困窮はさらに広がり、アメリカなどでも食料確保も難しいような最貧層が増加するかもしれません。

失業率は先進国でも50%を越え、消費をする余裕もなくなるために経済が活性化することもなくなります。

 

こういった事態を予測しそれに対する方策もすでにアメリカなどでは考えられています。

それが、UBI(ユニバーサル・ベーシックインカム)と、MMT(モダン・マネタリーセオリー:現代貨幣理論)です。

 

UBIは、生活保護制度とは異なり、定額を全国民に配ってしまうという制度です。

一ヶ月に500ドルとか1000ドルとかいった定額を全国民に支給し、消費を促すという政策です。

もちろん、それに要する資金は莫大なものですが、それがあれば消費は確実に行われるというものです。

 

MMTは田中さんも「経済理論のフリをした詐欺」と言い切っているように、極めて怪しい理論(とも言えない詐欺)です。

これが出てくる背景には、日本がいくら国債を発行しても今の所大丈夫であるということが関わっているのかも知れません。

これは「政府が国債を発行しすぎると超インフレが起きて財政破綻するという従来の考えは間違いだ。政府はいくら財政赤字を増やしても破綻しない。だから政府は無限に国債を発行して良い」という「財政赤字ノススメ」みたいな説である。

このMMTで際限なく手に入れられた財源をUBIで全国民に配って消費に回れば経済も活性化するという話です。

 

もちろん、このような政策がいつまでも続けられるはずもなく、いずれは財政破綻するのは確かです。

 

もう一つ、アメリカ民主党などが主張しているのが富裕層への資産課税だそうです。

これも実現は悲観的ですが、これはやらなければ駄目でしょう。

 

このような、トンデモ理論かどうかは分かりませんが、それにしても考えられているだけは日本よりはマシなのでしょう。

経済成長の呪文だけを唱え続け、それを国民の多数も支持するだけという、もはや宗教のような「経済成長教」の日本は金融バブル崩壊に右往左往するだけなのでしょう。