爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

FOOCOM.NET専門家コラム、長村洋一さんの「健康と食の講座」より、「添加物の無添加表示」

FOOCOM.NET専門家コラムを担当している長村洋一さんは、現在消費者庁で行われている食品添加物表示検討会の傍聴を続けておられます。

今回はその第5回、添加物の「無添加」「不使用」表示をどうするかという点が討論されていました。

www.foocom.net

食品添加物無添加」という表示を規制するということ自体、意外な感じを受けられる方も居るかもしれません。

現状ではそういった表示をしている商品があちこちに見られます。

さらに、そういった表示を規制するという必要性についても分かりにくいかもしれません。

 

実は、現在でも「食品添加物無添加」あるいは「食品添加物不使用」という表示は正確ではなく、消費者に誤認させることが危惧されるということで、好ましくないとされています。

しかし、ルールとして明確にされていないため、不適切な場合も含めてそう表示されている場合が多くなっています。

 

これを「優良誤認」と呼び、実際は優っていないものをあたかも優良であるかのように見せかけ、販売に有利になるようにすることを指します。

 

「食品保存料不使用」といった表示をしながら、食品保存料と同じ様な効果をもたらすような「日持向上剤」というものを使っているという例もあります。

また、化学調味料という用語はすでに使われていないにも関わらず「化学調味料不使用」というのもこれに当たります。

 

これらの議題について、検討会では委員から様々な意見が出されています。

日本添加物協会の上田氏はさすがに製造者側らしく、無添加、不使用表示の禁止に向けて食品表示基準の改定を求めています。

FOOCOM.NETのメンバーでもある森田委員は、表示のガイドライン作成を提案しました。

 

なお、各業界の状況として報告された味噌の表示は意外なものであり、ちょっとどうかと思う内容でした。

全国スーパーマーケット協会からの委員である、大熊氏からは、味噌の「無添加表示」が報告されました。

味噌の多くには「無添加」と書かれているのですが、これは「ダシが添加されていない」ということを意味するものであり、業界内で申し合わされていることだそうです。

味噌業界だけの中にとどまらない、混乱を招くような規定だと感じます。

 

まだ当分はこの検討は続くと思いますが、現状で一つだけアドバイスするなら、

「現段階で、”無添加””不使用”という語句を使っている製品は不誠実な姿勢が感じられる」ということでしょうか。