WEDGE ismediaに松永和紀さんが書いているものです。
中部地方を中心に豚コレラが流行していますが、その最初の発生からすでに1年が経過していますが下火にもなっていません。
すでに農場など39箇所で発生が確認され、豚13万頭が殺処分されています。
豚コレラは昔はよくある病気だったのですが、優秀なワクチンが開発されたのでその接種で一旦根絶されました。
1992年のことだったそうです。
ワクチン接種もその後停止され、2007年にようやく「清浄国」と認められました。
感染例が無いだけでなく、ワクチン接種も停止されないと「清浄国」認定ができないことになっているようです。
今回の感染は、海外からウイルスの付着した肉やその加工品が入り込み、そこから野生のイノシシに感染し広がったのではないかと言われているそうです。
現在では、野生のイノシシに対してワクチンを混ぜた餌を撒いて食べされるということがされているようです。
しかし、すべての野生イノシシがその餌を食べるというのは難しく、野生イノシシの中でのウイルス濃度は非常に高まっているようです。
飼養している豚へのワクチン接種を求める養豚家も多いようですが、農水省が認めていません。
理屈を並べていますが、実際は「豚コレラ清浄国」の認定が失われることを恐れているようです。
(ワクチン接種をすると弱毒性のウイルスが豚に入り込むため)
かつては、ウイルス接種をしていても安全性には全く問題もなかったのですが、輸出に差し障るという判断なのでしょう。
しかし、感染から全頭殺処分ということが繰り返されれば養豚業自体の存続も危うくなります。
養豚農家の苦境はますます厳しくなっているのでしょう。