内田樹さんは最近も韓国で著作を出版されていますので、一定の数の読者を獲得しているためか、韓国メディアから現在の日韓関係についての質問を受けたそうです。
その質問と答えを掲載しました。
blog.tatsuru.comまず、最初の部分から意外な思いのやり取りが続きます。
それは「日本の改憲運動は『アメリカから押し付けられた憲法』を廃絶する目的のものだから、それを推進している安倍は反米のはずである」という不思議な推論である。たしかに海外から見たら「アメリカ的民主主義を否定する親米政権」というのは理解に難いものだろう。だから、今回の対韓制裁も、アメリカが仲裁に入って、韓国側についた場合に、「日本国内に反米感情が高まり、それを推力に改憲を進めようとしているのではないか」・・・というような不思議な考えを示してくれた。
質問をしてきたのは、Kyunghyang newspaperという、あまり名前を聞いたことはありませんが、新聞社でしょうか。
質問の前文に上記のような、内田さんも「不思議な推論」と書かれており、日本人はおそらく皆ちょっとおかしいと感じる部分でしょうが、「改憲=反米」というところが意識の基礎にあるところがあります。
日本人なら誰もそうは感じないのでしょうが、確かにアメリカからの押し付け憲法を変えようというのは、形としては反米だということでしょう。
続いて、日韓の現在の報復合戦についての質問と答えが10続きます。
日本の輸出規制は、あくまでも安倍のコアな支持層に対するアピールに過ぎず、参院選が終われば収束すると言う見方は妥当でしょう。
質問10に対する内田さんの答えがポイントでしょう。
韓国人がよく知らないと思われるところに、「日本はアメリカの属国」ということがあります。
現在の80歳以下の日本人は誰もが「自らの国のことを自らが決めた(一応、少なくとも同じ日本人の誰かが決めた)」時代のことを知りません。
したがって、安倍が進める改憲というものの本質も間違えてしまうのでしょう。
「戦争ができる」というのも、「アメリカの命令で戦争させられる」に過ぎないということを野党側はよく知っていますが、それを知らずに形だけを見ると自主的に戦争するということと誤解しかねません。
まあ、韓国人よりは日本人に読ませたい文章でした。