爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「関東のしきたり関西のしきたり」話題の達人倶楽部編

またこれも、出張の途中の車内で読み飛ばし、そのまま邪魔なら捨てていく程度の?本かもしれません。

今回は、「関東と関西」の違いというものを並べあげて語るといったもので、内容についてもそれほど真剣に調査したものというほどではなく、よく言われているものを集めたという程度のものです。

 

ただし、この問題は結構奥が深いものがあると思いますので、ここに取り上げることにしました。

 

まず、書名は「関東、関西」となっていますが、巻末に「東京、神奈川、埼玉は違うか」「大阪、京都、兵庫は違うか」という章が設けられていることでも分かるように、内容のほとんどは「東京対大阪」ということになっています。

おそらく、巻末の2章は、関東でも東京以外、関西でも大阪以外の人たちがこの本を読んで、「こんなのぜんぜん違うだろ」と言われるのに言い訳をしたものなのでしょう。

 

私などは、生まれは埼玉、長く暮らしたのは神奈川、ほんの僅か(1年ちょっと)東京で暮らしたということで、一応「関東生活」が長いのですが、関西、大阪にはほとんど縁がありませんでした。(これまでは)

 

その目から見ると、「関東」ということでこの本で挙げられていることは、あくまでも東京中心へ集まった人々たちの話という感がします。

おそらく、関西人の方々からみても、関西のこととして挙げられているものは大阪限定と見えるのではないでしょうか。

 

まあ、保留事項はこの程度にして、一応中味について少しは触れておきましょう。

 

エスカレーターで立つのは右か左か」

普通見られる、2列幅のエスカレーターですが、たいていのところでは片方だけに立ち止まり、もう一方は開けておいて急ぐ人が駆け上る(駆け下りる)ことができるようにしています。

(これは、エスカレーターの乗り方としては間違いで、動いてはいけないそうですが、いくら止めるように言っても簡単には変わりそうもありません)

この場合、「左に止まって右を開ける」のを関東方式と呼ぶとすると、こちらが全国的にも多いようで、反対側の関西方式は大阪、兵庫、奈良、和歌山程度ということです。

この発祥は不明ですが、関西の方は比較的はっきりしており、1970年に大阪万博が開かれた折、阪急電鉄で混雑を避けるために「左側を開ける」ようにアナウンスをしたとか。

それから大阪を中心に左を開ける方式が広まったということです。

 

「鉄道網が複雑すぎる」

東京の、特に地下鉄は路線が複雑という印象がありますが、地上では山手線がぐるりと周り、そのターミナルにJRや私鉄の路線が放射線状に入り込んで接続するという、比較的すっきりとした形になっています。

ところが、大阪では同じ方向に平行して走る路線が多く、違う路線の駅名が近いにもかかわらず違う場合も多いという特徴があります。(大阪と梅田など)

これは、東京では山手線の環状運転が始まったのが1925年と比較的古く、そこに付け加わる形で私鉄各社が開業したために分かりやすい形となりました。

しかし、大阪ではJR大阪環状線が完成したのも昭和30年代、それまでに旧国鉄や私鉄が独自の判断で路線を伸ばしていったために、商売の競合関係にある路線も多く、乗り換えの利便性などというものは考慮されなかったようです。

そのため、東京ではかなり多い「相互乗り入れ」も大阪では少ないということになりました。

 

他にも多数の「東京対大阪」ネタが並べられています。

まあ、九州の田舎から見るとどちらも大都会ということでは一緒ですが。

 

外から見えない暗黙のオキテ 関東のしきたり 関西のしきたり (青春文庫)

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