内田樹さんの「研究室」で紹介されています。
東京新聞の望月衣塑子さんが「安倍晋三の大研究」という本を出版されるそうですが、その中で内田さんと対談している部分があり、その部分を先にバラしてしまおう?ということです。
まあ、出版前の事前CMかもしれませんが。
まあ、いちいちうなずける話ばかりですね。
安倍には「シナリオのある嘘」と「シナリオのない嘘」があり、最初に「シナリオのない嘘」が口をついて出てしまい、後はそれをずっと「シナリオのある嘘」で繕い続ける。
性格的に自分の非を認めることが嫌いで、どこまでも強弁する。
しかし、この6年間ずっと安倍政権を批判してきた内田さん(私もそうですが)ですが、一つ悟ったことがある。
安倍さんはいずれどこかの時点で首相の地位を去る。でも、彼を独裁的な権力者にして担ぎ上げた政治体制と国民意識がそのあとも手つかずで残るなら、いずれ第二第三の安倍晋三が出てくることを防ぐ手立てがない。
この部分ですね。
じつは、安倍を首相に祭り上げ独裁的にも見える統治をさせているのも、それを欲している国民が居るからだということであり、安倍を取り除いても似たようなのが後に座るだけです。
そして、それがこの国の支配的位置を占めている。
彼を担いでいるのは「対米従属マシーン」という政官財学術メディアを巻き込んだ巨大なシステムです。彼らは日本の国益よりアメリカの国益を優先的に配慮することによって、アメリカから「属国の代官」として認証されて、その地位を保全されている。
ただし、その彼らが「従属している」アメリカというものが、じつはまったく一枚岩でもなくバラバラに崩壊しかけている。
安倍をこう見ている勢力もあるわけです。
アメリカにとって、安倍晋三というのは一面ではきわめて好都合な政治家だけれども、危険な政治家でもある。集団的自衛権を発動して、アメリカの海外派兵の「二軍」として働くこと、アメリカ製の武器をどんどん買ってくれること、巨額の「ホスト・ネーション・サポート」予算で米軍基地を維持拡充してくれることなどは米軍にとっては大変好ましいことでしょうけれど、そういう日本の「軍事優先」がどこかで節度を超えて、軍事上のフリーハンドを要求するようになると、それはアメリカにとっては東アジアに新たなリスク・ファクターが出現することを意味する。
安倍がアメリカの兵器を買ってくれるだけであれば都合も良いのでしょうが、それを越えて暴走する危険性もあるとは考えているのでしょう。
いくら「対米従属マシーン」といっても、すべてがアメリカに都合の良いようになるわけでもありません。
内田さんの「望月さんの本の宣伝」に乗せられてしまいそうです。読んでみたくなります。