爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

日本学術会議が、津波に対する東電の姿勢を批判。「研究段階の危険性にも真摯に対応するべきだった」

日本学術会議が、東日本大震災福島原発事故についての検証で、次のような報告書を出すということがNHKニュースで報じられました。

www3.nhk.or.jp

これもどうせすぐにネットから消えますから多めに引用しておきます。

「まだ研究段階の学術的な成果であっても、原発に深刻な影響を与える可能性があるものについては真摯(しんし)に受け止め、対策の厚みを増しておくことが重要だとしています。」

 

地震津波に関する研究の進展により、原発のある地域での最大津波高さがこれまでよりはるかに高くなる危険性があるということが、研究者により発表されましたが、東電はその学説がまだ学会内で反論があるということを口実に、様子見と称して何もしようとはせず、それがあの原発事故につながりました。

 

また、「当時の規制機関、原子力安全・保安院について、採用すべき新たな知見をみずから見いだす努力をしていなかったと指摘し、規制機関は、知見の発掘と評価を継続して行い、事業者を指導・監督することが重要だとしています。」

として、東電のみならず規制機関の姿勢も批判しています。

 

津波の大きさの見直しについては、新たな学説として非常に高いという予測を発表しても、一部の学者が見直しに反論し、政府や東電はそれにより、その説がまだ不確定ということにして対策を怠りました。

それら反対した学者たちがどのような立場かとまでははっきりしませんが、推測はできます

その姿勢の結果がこのような事態を招きました。

 

これは、電力会社、原発規制機関、津波学者だけの話ではありません。

どのような業種、研究分野であっても同じ問題が起こり得るでしょう。

誰もが自らを省みて考える必要のあることです。