爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

米中貿易戦争の行方は。田中宇さんの「国際ニュース解説」でも長文の説明が。

アメリカが中国からの輸入品への関税を25%とする件については、一報を書きましたが、田中宇さんの「国際ニュース解説」でも触れてありました。

米中の貿易戦争再燃か、アメリカは中国からの輸入品に対して25%関税、中国も対抗処置 - 爽風上々のブログ

 

tanakanews.com

田中さんのこれまでの主張では、トランプはアメリカの一極覇権体制からの撤退を間違いなく目指しており、世界情勢に対するこれまでの覇権国の責任をすべて放棄しようとしているとしています。

 

私は、トランプがそこまでの深い戦略思考を持っているとは到底思えないのですが、どうもそれに沿った展開になっているようです。

 

これまでのアメリカ政府の対中戦略は、外交軍事では厳しい態度を崩さずにいるものの、経済面ではアメリカ国債の中国の大量購入ということもあり、非常に友好的とも言える状況を作ってきました。

しかし、トランプは経済面でも中国敵視政策を進めており、ホアウェイの製品締め出しを同盟国にも強制するなど、新たな段階に進めています。

 

 これは新冷戦の開始とも言えるもので、同盟諸国にも同様の態度を取るように強要していますが、中国との結びつきが強いのは日本ばかりでなく、他の国も苦慮するようです。

 

その一方、同盟各国との貿易条件交渉などではアメリカ有利の条件を無理強いしており、これは同盟国を中国側に追いやろうというアメリカの深謀とも見えます。

 

これまでのように、アメリカの金融体制が盤石と見えている間はまだアメリカに付いていったほうが良いという判断にもなりますが、アメリカの金融経済はバブルそのものであり、その先行きは不透明です。

 

田中さんの記事の最後の部分は驚くほどのものです。

トランプの裏の意図は、世界経済を米中貿易戦争によって米国側と中国側に二分した後、巨大な金融バブルの崩壊を誘発して米国側を覇権ごと潰す一方、中国側の実体経済をできるだけ無傷で残すことで、米単独覇権体制とそれを動かしてきた軍産複合体を消失させ、世界の経済成長(バブルでない部分)を維持したまま覇権体制を多極化する「隠れ多極主義の戦略」にあると私は見ている。

アメリカを潰し、その時にまだ中国の痛手が少ないように操作しているというのです。

あのトランプが。

とても信じられないのですが、これまでも田中さんの言う通りとなったことも多いようです。

どうでしょうか。