爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「47都道府県うんちく事典」八幡和郎著

都道府県の、歴史や名物、名所旧跡などを紹介するという本は数多く出版されており、まあそこに行くのであればちょっとは参考になり、行かないにしても軽く読めるので旅行の間に電車の中などで読むにはちょうど良い程度のものというイメージです。

 

実際、この本もおそらくどこかに出張などで出かけた時に駅か空港の売店で買ったものと思います。

 

しかし、こういった本は通常は匿名の著者数名がグループで執筆するということが多いのですが、本書はちゃんと1名の著者名が記載されており、この八幡さんという方は通産省国交省の官僚を歴任、退官後に評論活動をされているという経歴の持ち主です。

そこを見れば、けっこう中身も確かなものかという思いもします。

とはいえ、随所に詳しいところもあるようですが、総体としては気楽に読めるようなものとなっていました。

 

明治維新のあと、それまでの幕藩体制を変革して都道府県(最初は県のみ)の体制を作っていったのですが、初期には変動も大きく分割合併が相次ぎました。

県の名称も、原則として県庁を置いた場所の都市名や郡名を取ることが多く、旧国名や藩名は避けられたということです。

 

この辺の記述は、さすがに詳しいものでしたが、逆に少し本の文章が固くなってしまったかもしれません。

 

県の合併分離という点では、九州はあまり動きが無かったようで、長崎佐賀が長崎から分割されたことと、宮崎鹿児島が鹿児島から分割されたのが大きいところでしょうか。

しかし、東北や関西では相当な変更がされているようで、これは戊辰戦争の経過が関係したのかもしれません。

 

ついでのように書かれていた旅行プラン例では、当地熊本は、熊本城と水前寺公園を観光、その後は阿蘇山を見に行くというところだけでした。

ちょっと寂しいかな。