思想家の内田樹さんの「研究室」というブログに載っている、「株式会社化する日本」についての話です。
非常に解りやすい例えで、スパッと言い切る。さすがの筆力と感心します。
内田さんが、鳩山・木村鼎談というものをやったようで、その内容を単行本にしようと準備されているようです。
(鳩山・木村という方々がどなたかということが明記されていませんが、多分あの人達でしょう)
今回は、その中から第2章に書かれる内容の「株式会社化する日本」です。
(出版する本の内容を前にばらしてしまって良いんでしょうか)
(まあ、本の宣伝なのかもしれませんが)(買いたくなる人も居るでしょう)
現在の安倍政権は今まで知っているすべての政権の中で際立って「株式会社」的性格を持っているということです。
あの、政治的見識も指導力も統率力もなく、器量も小さい人物がこれほど長く政権を維持している理由を挙げています。(私の意見ではありません。内田さんが書いています)(まあほぼ同意見ですが)
大した政治的見識もないし、指導力もない。統率力もないし、器量も小さな人物が、これほど長期にわたって政権を安定的に維持できているというのは、実際には彼の政治的な力というよりも、彼のキャラクターが株式会社のCEOのキャラクターに期待されているものと一致しているからだと思います。
株式会社化した政権の性格は、「当期利益第一主義」です。
本当は株式会社でもこれは良くないことだと思いますが、これがアメリカから全世界に広まっています。
先のことは考えないのではとても政権とは言えないと思いますが、これが実情でしょう。
そして、官僚もジャーナリストも、安倍におもねることばかり考えています。
これも株式会社の性質の一つなんでしょうか。
かつて、大阪維新の橋下徹が大阪市政を批判する時に「民間では考えられない」と言ったというのは私もうっすらと覚えています。
私自身もそれに違和感を感じなかったのですが、実はこの言葉自体、大きな問題を含んでいるそうです。
これは、すなわち市政を「株式会社化」しろということであり、そんなことをしたら行政の自殺でしょう。
しかし、ほとんどの人はそれに賛同してしまった。
今日の安倍政権認知も同様の状況から生まれているのでしょう。
最後の文章も内田さんの主張がはっきりと分かります。
だから僕が政権批判をすると、びっくりする若い人がいるんです。「え? 何、それのどこがいけないんですか?」って。「だって、うちの会社と同じですよ」って。彼らは安倍さんが社長で、自分たち国民はその会社の従業員だと思っている。だから、「従業員が経営方針に口出す会社なんかないでしょ」ときょとんとしている。「経営方針の適否を決定するのは従業員じゃなくて、マーケットでしょ」と言うのです。そういう「従業員マインド」と対米外交における「属国民マインド」とがブレンドされて、いまの日本の有権者たちの気分というものを形づくっている。だから、安倍政権の登場には、ある種の歴史的な必然性があったんだと思います。
やはり、安倍だけ引きずり下ろしても現在の状況は変わらないようです。
国民から変えないと。