内田樹さんの「研究室」では本年年頭にあたりという題で「貧乏くさい」というキーワードが出されました。
60年代の高度成長期では、まだまだ暮らしは貧しかったものの、植木等のセリフどおりに「そのうちなんとかなるだろう」という気分が社会の中に広がっていました。
実際にはそのようになるという根拠はあまり無かったのですが、皆がそう思い込んだことで実現したということです。
現在はどうかと言えば、企業は空前の利益を上げているとはいえ、「明日はどうなるか分からない」と考えて内部に貯め込むばかり。
それは庶民でも一緒で貯金を必死に守る一方です。
そういう状況を、内田さんは「貧乏くさくなった」と表現します。
確かにそうでしょう。
ただし、だから景気回復、経済成長につながらないのでいけないということにはならないと思います。
もはやそのような思い込みで消費を増やしてそれが経済成長につながるなどという幻想を抱くべきではないと感じます。
しかし、企業や富裕層の財産溜め込みは許す必要はありません。せいぜい吐き出させなければならないでしょう。