穴だらけの入管法改正案が国会通過に向けて山場となっていますが、「現代ビジネス」というサイトに下地ローレンス吉孝という社会学者の方が書いている記事が非常に分かりやすく問題点を指摘しているので転載します。
世界第4位の移民大国・日本で注目されない「もう一つの法改正」
と題されたもので、ご自身も混血の方のようですので、その危険性も身近なものなのでしょう。
国会でも論議されているような問題点、すなわち「法案は骨格のみで細部は省令などで後から決めるという、官僚任せ」であるということや、「特定技能という枠組みの受入対象は当初は技能実習生からの移行」であるにも関わらず、「技能実習生の実態の問題点が看過されている」といったことは言わずもがなです。
それ以外に、この改正案にはあまり触れられていないもう一つの条文があります。
この法案の正式名称は次のようなものです。
【出入国管理及び難民認定法、及び法務省設置法の一部を改正する法律案】
今大きな話題となっているのは前半の「出入国管理および難民認定法」の部分ですが、後半の「法務省設置法」の部分にも大きな意味が込められています。
①法務省の任務を従来の「出入国の公正な管理」から「出入国及び外国人の在留の公正な管理」とし、これまでのような入国管理のみならず「外国人の在留の管理」をも対象としている。(改正案 第二、一条)
②それまで法務省の内部部局であった「入国管理局」を、外局で新たに「出入国在留管理庁」として設置する。(改正案 第二、二条)
このように、従来の「入国管理局」を「出入国在留管理庁」として拡大し、在留外国人の管理を強化するという内容を含んでいるということです。
つまり、すでに日本国内に在留している外国人についても、様々な活動を問題視して管理強化する権限を持たせようという意味があります。
実に、官僚の考えそうなことを紛れ込ませてドサクサのうちに法律化しようとするという大変な法案であることが初めて分かりました。
このような重大なものを、あのちょっとした審議だけで通そうとする官僚の言いなり政権が今の自公政権の正体だということです。