ブラジルの大統領選で、与党の労働党の押す候補を破り、「ブラジルのトランプ」と言われる極右のジャイル・ボルソナロが当選しました。
彼のこれまでの発言は、人種差別、同性愛者否定、女性蔑視等のものですが、それにも関わらず多くの支持を集めて当選しました。
これには単なる右派勝利という要因よりは、これまでの労働党政権に対する汚職批判が強かったと言うことの方が主たる勝因のようです。
しかし、当選した以上はその主張に沿った政治をしていくのでしょう。どうなることか不安要素ばかりのようです。
ドイツでも、州議会での選挙でメルケル首相与党のキリスト教民主同盟は大敗を繰り返し、メルケル首相はこの次の党の党首選には立候補しないことを表明しました。
www.jiji.comしかし、首相は任期いっぱい務めるとしていますので、今後は野党の追求も厳しくなるものと思われ、まだまだ先行きは不透明のようです。
トランプ大統領も、メキシコからの不法移民排斥の発言を強め、ヨーロッパ各国でも移民排斥を主張する右派各党が支持を集めています。
これら右派政党と言っても、どうもその共通項は「移民排斥」だけのように見えます。
したがって、たとえ政権奪取を果たしたとしてもその後の政策はどうなるのか、見えにくいものです。
ここはまた「右翼」というものの歴史的、世界的状況について見直してみないといけないのかもしれません。
とはいっても、ウィキペディア情報を見る程度なのですが。
大きくまとめると「愛国」「保守」「国粋主義」でしょうか。
「民族主義」が入ることもありますが、国情により不可能な国も多く普遍的ではないでしょう。
もちろん、日本は「民族主義」と言えるものを唱えるのでしょうが、実際には日本民族なるものがあると言うのも科学的には幻想に過ぎないもののようで、曖昧なものです。
民族を問うことなしに「国粋主義」を唱えるというのが実情でしょうが、少し前の移民は含み、新しい移民は排斥などというのもご都合主義のおかしな主張であり、この不合理を体現しているのがアメリカです。
「移民排斥」だけで政権を取らせた場合、おそらく保守主義政党と同様の政策を取るのでしょうが、そこでは大企業重視となるでしょうから、現在のグローバル大企業の姿勢とははじめから食い違いが生じています。
大企業重視を進めれば、彼ら右派政党の主な支持層である保守系住民の希望とはまったく異なる政治となってしまうでしょう。
いずれは、というより極めて早く、右派政党政権に対する失望が高まるのは間違いないことです。
そうこう言っている間に、日本政界では「外国人労働者受け入れ条件緩和」の動きが強まっています。
www.nikkei.comこれは「移民受け入れ法案」ではないと安倍首相は強弁していますが、実態はどうでしょうか。
期限付きで帰すとか、社会保障や年金は認めないとかの条件で来てくれるかどうかも分かりません。
それを認めると、ほぼ移民と同様の内容になっていきます。
まあ、ようやく遅ればせながら、日本も移民問題のおこぼれを頂戴するようになったということでしょう。
日本の「右派」、自民党は、経済界が最大スポンサーである以上労働力確保に力を入れなければならないのに、移民も受け入れられないという、ハムレット(そんな良いもののワケないか)状態です。
せいぜい、苦労して取りまとめてください。
難民の発生する理由、国内格差が拡大する理由、高度技術労働力が不足する理由など、多くの問題は同根の原因によると思いますが、それが正せないのが資本主義の原罪とも言えるところなのでしょう。