新潮45が、その記事に多くの批判が集まったことにより、休刊に追い込まれたという件について、これまでも内田さんはいろいろと書いていますが、その総括のようなものということです。
この問題については、国内だけでなく海外のメディアも多く取り上げました。
その中で、イギリスのガーディアン誌の論評を引用しています。
海外メディアもこの事件を取り上げた。英紙『ガーディアン』は発端を作った杉田水脈衆院議員をこう紹介している。
「安倍晋三首相の同盟者である杉田はまだ記事について公式には謝罪を行っていない。安倍は先週、『彼女はまだ若い』のだから、辞職圧力は加えていないと述べた。杉田は51歳である。(...)彼女は第二次大戦前、戦中の日本兵による性奴隷利用を韓国の捏造だと主張してきた人物である。」
杉田議員を擁護してさらに問題を大きくした小川栄太郎氏の記事については「性的少数派の権利を保証することは、列車の中で男が痴漢行為をする権利を認めるべきだということに通じるのではないかと訝しんでいる」と要約している。
この評論を見ても、まさに「国辱的」なのですが、その点についての反省はないのでしょう。
当事者の杉田議員はそれ以降まったく沈黙し、小川氏はこの事態について「陰謀論」を唱えているそうです。
その奥底にある彼らの思いは、内田さんが想像しているように「まさかこんな騒ぎになるとは思っていなかった」ということでしょう。
そこには、この「新潮45」という媒体が「言論の場」であるとも、「公器」であるという認識もないのでしょう。
あくまでも、「身内の中の悪ふざけ」という認識だったようです。
ここで、内田さんは太字で、何度でも強調すべきことを書いています。
それは、「言論というのは身内限定に書かれるべきではない。」
ということです。
当たり前のことなのですが、ネット社会で勘違いした人々が忘れがちなことなのでしょう。
内田さんは、さらに、自分が中国やアメリカのことについて書く場合、それが翻訳され相手国の人に読まれる可能性も考えて文章を書いているということです。
私にはそこまでの覚悟はありませんでした。
このブログもちょっと「身内優先」の傾向があるかもしれません。
少し反省か。