爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「ヨーロッパ異教史」プルーデンス・ジョーンズ、ナイジェル・ペニック著

原題の「A History of Pagan Europe」の”Pagan”とは、主にキリスト教から見た未開の異教と言うものを表す言葉であり、原題のキリスト教に覆われたヨーロッパの中に残るかつての様々な民族の宗教の歴史、そして現代まで残る影響を扱っています。

 

したがって、キリスト教的価値観にどうしても左右されたような記述が垣間見えます。

たとえば、「ゲルマン人の宗教を原始的な異教とさげすむローマ人も異教の民であった」などという描写がそれにあたります。

 

著者のジョーンズ氏は「異教連盟元会長」という肩書で、こちらが本書の主導者でしょうか、ペニック氏が作家ということなので、文章をまとめたのはこちらかもしれません。

実は、現代も「異教主義」と言うキリスト教以外の宗教に対する関心を持つ人が増加しているそうです。

そういったことが、本書執筆の動機だったのでしょう。

 

ヨーロッパに残るキリスト教の行事の中には、実はキリスト教普及以前のかつての宗教のものであったのを、キリスト教布教の際に方便として取り入れたものが多いと言われています。

クリスマス、イエスキリストの誕生にちなむと言われていますが、これもゲルマン人などの宗教で行われていた冬の祭が残ったものだそうです。

また、妖精といったものも、異教の生き残りかもしれません。

 

異教という意味では、古代ギリシア古代ローマ帝国の宗教もまぎれもなく異教ですので、これらの記述が本書前半を占めています。

ギリシアといっても多くの古代文明が重なってできたものであり、それぞれの文明はそれぞれの宗教を持っていました。

中には人身御供を捧げたと言うものもあったようです。

こういった状況は、ローマでも同様であり、ローマ人は征服した民族の神々を祀ると言う風習がありましたが、それで非常に多くの宗教が残存していました。

 

ローマに征服されたケルト人、ゲルマン人などもそれぞれ多くの宗教を持っていました。

こちらにも多くの人身御供を使った宗教があったようです。

 

まあ、異教の塊のような日本から見ればそれほど驚くこともないように感じます。

 

ヨーロッパ異教史

ヨーロッパ異教史

  • 作者: プルーデンスジョーンズ,ナイジェルペニック,Prudence Jones,Nigel Pennick,山中朝晶
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2005/08
  • メディア: 単行本
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