いろいろと医学関連で興味深い話を提示されている、内科医のNATROMさんの「NATROMの部屋」に、またまた面白い?話が紹介されていました。
d.hatena.ne.jpなんと、近くの人にアレルギー症状を起こさせるという病気があるということです。
「PATM(パトム, People Allergic To Me)」と呼ばれる病気がある。本人には必ずしも症状はないが周囲の人に咳、くしゃみ、鼻水といったアレルギー症状を起こさせるとされる。典型的には、自分が電車に乗ったり教室に入ったとたんに周囲の人が咳き込んだり、マスクをつけたり、鼻をすすったりする。
私がPATMを知ったきっかけは、PATMを取り上げたテレビ番組について意見を求められたことだった。Google検索ではPATMの診療を行っている日本の医療機関が見つかった。もちろん保険診療ではなく自費診療だ。PATM以外に「遅延型フードアレルギー」「副腎疲労」「リーキーガット症候群」といった医学的に確立されていない疾患概念に対し、やはり医学的に有用性が明確でない検査を行い、サプリメント等の有用性が証明されていない治療を行っている。
御本人の神経症ではと感じさせられますが、こういったものを病気と診断し、治療までしてしまう医療機関もあるということが問題でしょう。
PATM以外にもあると紹介されている「医学的に確立されていない疾患概念」についても同様です。
元々不安に陥りやすい人々の心理にさらにつけ込んで治療と称する金儲けをしているということでしょうか。
こういった悩みを抱える人たちの相談にのっている、「Dr.林のこころと脳の相談室」というところがあるそうですが、
そこでは、このような症状は「自己臭症(自臭症)」と類似していると言われているそうです。
(自己臭症とは、精神医学上の正式な疾病名ではなく、対人恐怖症の一種ということです。自分の体臭や口臭が他人に嫌われているのではないかと過剰に反応することです)
現代社会では、他人に迷惑をかけているのではないかと考えすぎてしまうことが多いようです。
そのような患者に対し「それは気のせいです」と診断できる医者が正直なのでしょうが、それで治るとは限りません。
かといって、何かそれらしい病名を付けて治療するというのもやはり問題でしょう。
心の問題というものは難しいもののようです。