爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

八代地方で万葉集に歌われたのはここだけ。「水島」

万葉集に長田王の歌として載せられていますが、

  • 「聞きし如まこと貴く奇しくも神さび居るかこれの水島」(長田王 万葉集3-245収録)
  • 「葦北の野坂の浦ゆ船出して水島に行かむ波立つなゆめ」(長田王 万葉集3-246収録)

 

この歌に歌われているのが、今回訪れた「水島」というところです。

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今ではほとんど陸続きのようになっていますが、後ろに迫っている陸地はすべて干拓地ですので、かつては海の中の小島でした。

 

そして、その島に清水が湧いていたので「水島」と呼ばれ、景行天皇がそれを愛でたというのが伝説となっています。

 

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右側は龍神社という神社、左側の石碑の立っている小島が水島です。

このような小島に清水が湧き出る泉があったというのも不思議な気がしますが、実際に60年ほど前までは出ていたようです。

 

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長田王の歌碑も近くに建てられています。

 

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なお、手前の水島の奥に見えるのが大鼠蔵で、現在では干拓地の中の山になっていますが、古代では島であったところです。

ここには「大鼠蔵古墳群」という古墳が見つかっています。