畝山智香子さんの「食品安全ブログ」で紹介されていた、SCIENCEの論文で、日本人の若年女性の栄養不足が問題と指摘されています。
元の記事はScience 03 Aug 2018: Vol. 361, Issue 6401, pp. 440
Dennis Normileという方の論文です。
日本の痩せた女性への強迫観念が胎児を傷つけ日本人全体への長期にわたる健康問題を生み出している。既に、日本人女性のかなりの割合が過小体重で妊娠を開始していて、多くの科学者がこの国の妊娠中の体重増加に関する公式ガイドラインがあまりにも厳しいと批判してきた。今回、調査の結果多くの妊娠女性がこの厳しい目標よりさらに少ない体重にしようと努力していることがわかった。この要因の組み合わせが出生時低体重の異常な高率につながっている。これは日本人成人の平均身長が1980年以降に生まれた人たちで年々減っていることの理由である可能性が高い。
若年女性の過度の痩身への強迫観念が、妊娠中の体重増加も抑えることとなり、新生児の体重が低いということにつながっているそうです。
それが、なんと日本人成人の平均身長が徐々にではあるが減っていることにもつながるとか。
アメリカなどの肥満傾向が非常に強いところの基準をそのまま翻訳しただけで日本人に適用しようとしたんでしょうか。
女性の痩身願望がさらにそれに輪をかけてしまったようです。
最後に畝山さんもまとめています。
日本人にとっては肥満より痩せのほうが実害が大きくなっているのに肥満対策ばかりなんだよね。多分問題は肥満学会に頼ったことと欧米追従だと思う。専門ではあるが肥満が大問題と言いたい人たちの集まりなのでバランスのとれた政策は提言できない。米国の科学アカデミーは公衆衛生全体を見る人がいて学際調整が上手。
日本人は中高年の特に男性の肥満と、若年女性の痩せすぎに二分されているようです。