爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

諫早湾干拓事業 開門の判断を覆す

諫早湾干拓するという事業で、開門を巡って司法判断も分かれるという状態から一応は脱することになりました。

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干拓事業で潮受け堤防の閉鎖をしてからもすでに20年が経っていますが、同じ頃から漁業に影響が出たとして、漁業者側が堤防の開門を求めた訴えを起こし、2008年佐賀地裁、2010年福岡高裁で開門の判決が下され、政府もそれに対して控訴をせずに確定しました。

しかし、干拓地の入植者や水害を恐れる住民などは開門に反対する訴えを起こし、こちらは2013年に長崎地裁で開門しないという判決が出て、相反する裁判所判断が出るという事態になりました。

 

そのため、開門をしないことによる制裁金が政府から漁業者に払われるという状況が続いていました。

 

今回の福岡高裁判決で、開門するという確定判決を無効とする判断が出たわけです。

制裁金も停止するということになり、漁業者側は困った事態になります。

 

漁業被害が干拓のためかどうかというのは、一致した見解はなく様々な意見があるようです。

したがって、開けてみたら回復しましたということにはなりそうもないのですが、漁獲高の低迷は間違いのないところであり、漁業者の不満も大きいでしょう。

 

ただし、裁判所の判決の根拠として「漁業権は失われている」ということを理由にしていますが、これは紛糾の種になるかもしれません。

貝の漁獲高減少や、ノリの色落ち被害を訴えていますが、これは有明海広い範囲に及んで影響が出ており、そちらの不満は消えそうもありません。

まだまだ、問題は終わりそうもありません。