爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

週刊新潮はどういうつもりでこのような記事を続けているのか、「食べてはいけない国産食品第4弾」

週刊新潮が、かなり低レベルの「食べてはいけない」という記事を続けているということで、FOOCOM.NETの専門家コラムで瀬古博子さんが書いている記事を紹介しました。

sohujojo.hatenablog.com

ちょっと食品問題に関心のある人ならすぐに分かる程度の低レベルの記事であり、さすがにそんなに長くは続かないだろうと思っていましたが、まだ続いていて今度で第4弾。

そのネタが「トランス脂肪酸」だそうです。

www.foocom.net

トランス脂肪酸とは、二重結合がトランス型結合である不飽和脂肪酸であり、天然にも存在しますがマーガリン製造工程でできることもあるそうです。

瀬古さんの記事中にもありますが、多く摂取すると冠動脈疾患が増加する危険性があると言われており、WHOでも摂取を制限することを推奨しています。

ただし、日本人の通常の食生活ではその制限値には遠く及ばない量しか摂っていません。(人によってはそれ以上摂っている人もいる可能性はあります)

 

そのため、日本ではトランス脂肪酸の規制はしておらず、製品への表示も義務付けられていません。

 

それでも、メーカーによっては客からの希望と称して自製品の含有量を表示しているところもあるのですが、週刊新潮ではその「表示しているメーカーだけ」を槍玉に挙げるというバカバカしい真似をしています。

 

パンメーカーは数多いのですが、トランス脂肪酸含有量を表示しているメーカーは全てではありません。

週刊新潮は、その実態をすべて取材することもなく、「メーカーが自ら公表している数字だけを集め、その中で含有量が高いメーカー製品を危険としている」という、いい加減な記事作りをしているわけです。

 

本当に、トランス脂肪酸を少量でも含むことが問題であるのなら、パンに標的を絞るとすれば、ある程度の規模のメーカーの製品をすべて揃え、自ら分析するのが困難ならば専門の分析会社や研究者に依頼して信頼性のある数字を出し、その数字に基づいて記事とするべきでしょう。

 

ごく少量のトランス脂肪酸含有量をあれこれ言うことも問題ですが、それ以前にその記事の作り方にも不信感を覚えます。

 

それにしても、週刊新潮はいつまでこのような連載を続けるのでしょうか。